質問1これまでの美術評論でもっとも印象的なものについてお答えください。
クレア・ビショップ『人工地獄 Artificial Hells』(2012)
20世紀初頭から現代に至る美術の歴史を参加型アートという観点から語り、いわゆるオクトーバー派による教科書的な美術史本である『Art Since 1900』とは異なる歴史観を提示した重要な著作。個人的にも、広義のモダニズムから離れ、アートにおける政治性・社会性に眼を向ける大きなきっかけとなった本である。
質問2これからの美術評論はどのようなものになりうるかをお答えください。
特に日本の美術批評は、いまだそこに残っている男性中心主義や西洋中心主義、近代主義を超えて、フェミニズムやポストコロニアル・デコロニアルな視点を積極的を取り入れたものになっていくべきであろう。