「美術評論のこれまでとこれから」暮沢剛巳

質問1これまでの美術評論でもっとも印象的なものについてお答えください。

小林秀雄の美術評/理由:美術評論が本来文学者による文人批評、印象批評であったことを思えば、日本で最もそれにふさわしいのが小林秀雄の美術評であったことは論を俟たない。海外にも多くの事例があるが、ここでは言語的な制約を考慮の上対象外とした。

 

質問2これからの美術評論はどのようなものになりうるかをお答えください。

美術評論の今後は、この先登場する新たな美術作品は動向もさることながら、環境によって左右される面が大きいように思われる。紙の美術雑誌がほぼ成り立たなくなり、大学が美術評論家のアジールたりえなくなった時、果たして美術評論はどうなるのか? 現在すでにそれに近い状態となっているが、自分にもその回答はわからない。