【会員短信】「二条城でのキーファー展」山脇一夫

「私のこの3点」でも書いたが待望のキーファー展が開かれたが、アメリカの画廊の力によって実現できたのは日本人として少々情けない。それはさておき、二条城という世界遺産、歴史的建造物において美術展を開催することの問題点を観客の立場から感じた。つまり会場自体が文化財という制約からくる不便さが気になったのだ。建物(柱や壁)に触れてはいけないこととか靴箱も傘立てもないこととか照明の方法が限定されることなどである。しかしここではこれまで何度か現代美術の展覧会が開かれてきたので改善されていた点もあった。たとえば段差に簡便なスロープが置かれていたのは体の不自由な者とか老人には助けとなった。しかし今回もっとも問題だったのは照明である。作者の指示かどうか知らないが、自然光主体のため、私が行った雨の日などはよく見えなかった。私は作品をその成立の様々な文脈から切り離して自律化して見せるホワイトキューブに否定的だったがその良さが見直される展示でもあった。しかし会場が二条城であるからこそ作者が展覧会をする気になったのだとするなら今回は我慢するよりしかたがないのかもしれない。