本稿は、2025年3月30日に東京藝術大学で開催されたシンポジウム「ゲームクリエイターをクリエイトする」における口頭発表をもとに、スライドと発表内容を起こしたものだ。2023年から筆者が開始した「ゲームの美学」(アーティストのジェレミー・コーティアル氏と美学者の吉田寛氏との共同調査)と題した現代美術とゲームの理論と実践について考えるプロジェクトの一環で各館を調査し、その成果発表の機会となった。
北ドイツを中心に活動する筆者が2023年8月から2025年11月に訪れたゲーム博物館、ゲームコレクションなどヨーロッパの6施設の報告となる。各館訪問後、ウェブ上での情報収集と一部インタビューを含めて、記された情報は2025年3月10日時点であることを了承いただきたい。
オリジナル一点に重点を置く美術作品とは対極にある工業製品のゲームだが、そのコレクションの形成は館によって様々で、公的指針に基づくもの、コミュニティプロジェクト、あるいはオタクの情熱からの発展…などなど極めて興味深い。筆者は過去に日本の美術館の資料室でのアーカイヴやコレクションの管理などを担当していたこともあり、博物館の機能や形成、といったミュゼオロジーからの視点も提供できれば幸いだ。
はじめに
報告の対象は、フランスの国立図書館のゲームコレクション(パリ)、ベルリンのコンピューターゲーム博物館、ZKMメディアアートセンター(ドイツ、カールスルーエ)、スイスのゲーム博物館(ラ・トゥール・ドゥ・ペ)、フィンランドゲーム博物館(タンペレ)、リトアニアのレベルアップ·ビデオゲーム博物館(タリン)だ。これらを訪問し、コレクションや展示を見た結果、暫定的なダイアグラムにまとめたものが、このスライド#01だ。

#01 ゲーム博物館、コレクションのためのダイアグラム
ここにあげた分類は、必ずしもその枠に当てはまるというものではなく、どちらかといえばその傾向が見られる、くらいのニュアンスで受けとめていただきたい。
まず博物館、コレクションの使命を考える際、常に付きまとう命題が「保存」とこれに対する「展示」だ。ここでは横軸に挙げている。さらにゲームに関していえばとくに求められるのが「インタラクティヴ」な性格だ。美術作品に求められるような静かに作品に触れずに鑑賞する、というスタイルはゲームには当てはまらず、ゲームの展示は可能な限りインタアクティヴに触れてプレイする必要がある。
左側にあるフランス国立図書館は、設立の意図としてゲームの保存を目的としている。これに対して、右側に位置するのが、エストニアのビデオゲーム博物館だ。常に触って遊ぶことを目的としている。
縦軸は、産業とアート·文化人類学だ。ゲームには「遊ぶ」という古代からの人の行為、文化人類学的視点からの性格、そしてそこから発展するアートとしての性格があるとともに、そのようないわば原始的な個人的行為が産業化され、社会のインフラにもなるという性格がある。
下記にて6つの施設を一つ一つ見ていくことで、ゲームの持つ性格を各施設がどのように捉えているか、具体的に検証していきたい。
なお、スライドの情報はリファレンス元がネットやインタビューなどと統一されていないため、あくまでも参考に留めておいてほしい。
フランス国立図書館(パリ) サウンド、ビデオ、マルチメディア部門
Le départment Son, vidéo, multimédia, La Bibliothèque nationale de France, Paris

#02
#02
まず最初にフランスの国立図書館 BnF のサウンド・ビデオ・マルチメディア部門のゲームコレクションを紹介しよう。
メディア/マテリアル(物質)としてのゲームの保存を重視し、1994年に開設された。ヨーロッパでは最も早い例とされ、日本の国立国会図書館が行なっている納本制度のような仕組みで、1992年からすべてのゲームデベロッパーに納品制度を課し、ゲームの収集を始めた。寄贈も含まれるが、これらはフランス政府文化省の予算で賄われている。

#03
#03
公共図書館という性格上、基本的に「資料を利用する」ことが目的とされている。ただし「利用」には二つの意義がある。すなわち「プレイヤーとしてプレイする」ことと「研究目的をもってプレイする」ことだ。そこで一般人も入室しプレイできるA室と、研究者のみが閲覧·プレイできるP室に分かれている。
A室ではややリラックスした椅子でプレイできるのに対して、P室では研究者用に個別の机と椅子が割り当てられている。写真はあげてないが、子ども用の閲覧室も別にある。

#04
#4
これらの写真は、P室の研究者用書庫に飾られているゲーム、コンソールなどだ。筆者はこの書庫には入っていないが、ガラスケースの中に入っているのは、かつての展覧会用に陳列した時のものだという。

#05
#05
研究者用書庫P室に入るには事前にBnFのカタログ·ウェブサイトで検索し、どのゲームを見たいか予約して、訪問日時を決めて入館の申し込みをする。ゲームソフトなどは、閉架書庫で管理されていて、司書の出陳によって閲覧する。ただし、プレイできるのは備え付けのPCで、エミュレーターのみだ(例えばファミコンのゲームをカセットとファミコンの機器なしで、PCでプレイすることになる)。すなわちここでは、ゲームのハード、マテリアルの保存のため、閲覧とプレイの要素が分けられており、プレイについてはコンテンツに重点が置かれれている姿勢がうかがわれる。
ところで、ここではビデオゲームは「サウンド·メディア·ビデオ·マルチメディア部門」の中に分類されている。そしてフランス国立図書館によると、ビデオゲームは、10番目のアートとして位置付けられている。
実はフランス式の芸術分類というのがあり、古い順に1、建築、2、彫刻、3、絵画、などとつづく中で、比較的新しい7番が映画、8番がメディア·アート、9番がコミック、マンガなど、そして10番目がビデオ·アートということだ。この分類の有効には、議論の余地があるが、少なくともビデオゲームをアートと認識することで、すなわち保存の対象として正当化する理由にしているように見受けられるだろう。
コンピューターゲーム博物館(ベルリン)
Computerspielemuseum, Berlin

#06
#06
ベルリンのコンピューターゲーム博物館は、1997年、民間団体である「青少年社会労働サポート協会」による地域の子ども達や若者達の支援活動から始まり、今はベルリン市の文化省からの補助金や宝くじ助成などの公的サポートを受けて運営されている。開館から何度か場所を移ったりしたのち、現在の場所、旧東ベルリン地区のカール・マルクス通に移ったのは2011年のことだ。

#07
#07
スライド左側の写真、入るとすぐ「ゼルダの冒険」のリンクとMagnavox Odyssey を開発したRalph Baerのポートレートに迎えられる。このエントランスは、この博物館の性格を端的に示している—つまり、産業としてのコンピューターゲームの誕生の歴史と現在の若者のエンターテイメントだ。

#08
#08
この博物館の一番の特徴は、コンピューターゲームの歴史を丁寧に説明していることだ。
コンピューターゲーム史上最初のゲームとして名高い、Blookhaven national lab のTennis for 2と、PDP-1 Computer, Spacewar! の展示で “Research becomes fun” (研究が楽しさになる)と題して、科学研究所内でのコンピューターゲームの誕生を解説している。

#09
#09
PONG のゲームも仕組みがわかるように裏側や下に模型を使って展示、さらに発展系の5人でするPONGも紹介している。

#10
#10
多くのゲーム機、コンソールは展示ケース内に展示されているが、ファミコンなどの今でも中古で入手可能な量産機はそのまま機器を手にとってプレイできるものも見られる。

#11
#11
この館のもう一つの特徴が、ゲームを当時のプレイしていた環境とともに経験できることだ。アーケードゲーム機の部屋では、昔のゲームセンターを思い起こさせるような、暗い照明、ネオンライトに若者がたむろする雰囲気のコーナーとなっており、タバコ、アルコールはないものの、かつての不良の溜まり場感が再現されている。

#12
#12
アーケードゲームの時代から、女性も参加しやすくなった喫茶店のテーブル状のゲーム、さらにホームコンピューターの時代へと進み、自宅の居間で、自分の個室でゲームを遊ぶ時代になる。ゲームの進化の変遷が、技術とともに遊ぶ環境も変えていくことがよくわかる。

#13
#13
コンピューターゲーム博物館には、いわゆる「アートゲーム」といわれるゲームそのものを楽しむよりもゲーム自体のコンセプトを遊ぶというものも展示されている。ペインステーションなどは、有名な例の一つだ。

#14
#14
そのほか、企画展もスペースをとって開催されていて、最新のインディーズのゲームなども紹介されている。
ZKMアート·メディアセンター(ドイツ、カールスルーエ)
Zentrum für Kunst und Medien, Karlsruhe

#15 *Zentrum für Kunst und Media -> Zentrum für Kunst und Medien
#15
ドイツ、カールスルーエにあるZKMアート·メディアセンターは、ゲーム博物館ではないが、ゲームの展示をしているので調査対象とした。
ZKMは、アートと科学のインターフェースとして、最先端メディアの技術とその表現の研究を目的としている。メディアアートに関する研究を行なうヘルツ研究所を備え、大きな図書館、メディアテークもあるのが特徴だ。運営費はほぼカールスルーエ市やバーデン・ヴュッテンベルク州の公費で賄われており、カールスルーエ造形大学と密接な協力関係にある。
ゲームの展覧会はあるものの、実際のコレクションは少なく、展示のほとんどはインディースタジオなどからの永久貸与だという。
図書館もアーカイヴも非常に充実しているが、コレクションカタログには「ゲーム」というカテゴリーはなく、むしろアート作品としてのゲームは1点ずつ作品として購入しているという。

#16
#16
ゲーム展示のフロアは約1,000 ㎡あり、先に見たベルリンの博物館とほぼ同じくらいの規模だ。左上の写真がゲーム展示の行われているフロアの最初のスペース。赤い壁の両側に歴史的なゲームが6点プレイできるようになっている他は、その奥にここで挙げているように展示ケースの中で紹介されている。

#17
#17
例えばゲームボーイもプレイできるが、このようなアーケード筐体のような展示ケースに入っており、実際にプレイする感覚とは異なるものだろう。この展示ケース自体が、展示用メディアになっており、ガラスが曇っている状態では説明が読めるような仕掛けになっている。
その他オリジナルに近い形のゲームがプレイできるものが数点展示されている。

#18
#18
ここはアート·メディアセンターという性質上、先述したようにアート作品の紹介に主力が置かれている。例えば右下、メディアアートのアーティストとして有名なビル·ヴィオラがカリフォルニア大学ゲームラボと共同制作したビデオゲーム作品など、メディアアート史に残る作品が展示され、その場でプレイできる。
そのほかにも、若いアーティスト、インディープロダクションの作った最新のゲームなどが、非常に数多く展示されている。
スイス·ゲーム博物館(スイス、ラ・トゥール・ドゥ・ぺ)
Musée Suisse du jeu, La Tour-de-Peilz

#19 *Pixelvertica -> Pixelvetica
#19
スイスのロザンヌ近く、ラ·トゥール·ドゥ·ぺにあるスイス·ゲーム博物館は、ゲームすなわちフランス語「jeu:遊び」を人間の根源的な行為として捉えるいわば文化人類学的アプローチだ。古今東西、多くの歴史的なゲームのコレクションを母体とした博物館として1980年代にオープンし、デジタルゲームも現代の遊びとして位置付けている。2023年にデジタルゲームの企画展を立ち上げと同時にコレクションも始めたという。
博物館として保存にも力を入れており、Pixelvetica というロザンヌ大学などと共同で保存を研究する団体と協力関係にあるとのことだ。

#20
#20
この写真はコレクションによる常設展示の一部だ。ピンボールマシンだけでも一室あるほどの充実ぶりで、ヨーロッパだけでなく、アジア、アフリカ、アメリカと世界各地のゲームが幅広く収集されていて、文化人類学的な視点に立ったアプローチが見られるだろう。

#21
#21
この写真は筆者が訪問した時に開催していた企画展「ゲームオーバー」展の様子。この際は最新のクリエイターによるゲームの展示のみで、歴史的なゲームの展示は常設展のコレクションと分けられていた。

#22
#22
このスライドで紹介しているのは、2024年から25年初旬まで開催していた展覧会「ボックスからピクセルまで:ビデオゲームの考古学」のもの(筆者は未見、写真は博物館から提供)。積み木遊びやメカノなどの機械いじり遊びからレゴ、そしてマインクラフトへといたる、組み立てる「遊び」の系譜が自然に紹介されており、ゲームで遊ぶことの本質をとてもわかりやすく見せる展示が見られる。
フィンランド·ゲーム博物館
(フィンランド、タンペレ)
Finnish Museum of Games, Tampere

#23
#23
北欧、フィンランドのタンペレという都市にあるフィンランド·ゲーム博物館では、コミュニケーション·メディアとして、そして国の産業·文化としてのゲーム史が紹介されている。
2015年にフィンランド内のゲーム会社が主体となって、フィンランドのゲームの歴史を語るコレクションのためのクラウドファンディングが始まり、タンペレ市の公的機関に収まる形になったという。またこの博物館は、北ヨーロッパにおけるゲームスタディーズのホットスポットであるタンペレ大学と提携関係にある。

#24
#24
これらの写真は入口を入ってすぐのもの。右側、壁に多くの歴史的なゲームが展示できるのが見えるが、これらの一部は下に設置されたデスクトップコンピューター内のエミュレーターなどでプレイできるようになっていた。

#25
そう古くない2000年代の多くのゲームは、実際にプレイできるものとアクリルケース内でビデオでプレイ画面紹介の組み合わせで展示されている。
またこの博物館の大きな特徴は、ゲームデザイナーなどへのインタビュー記録に力を入れていることだ(YouTube参照)。ゲームクリエイター、プロダクションの熱意から始まった館ならではの活動だといえる。
また、フィンランドを代表するノキアの携帯ゲームの展覧会も同じ建物の中にあるコミュニケーション博物館で開催されていた。

#26
#26
この博物館でも、ベルリンと同様に、アーケードゲームのゲームセンターや、1980年代以降の部屋、またゲームショップも再現されており、各時代におけるゲームの流通状況がわかりやすく紹介されている。

#27
#27
先述したように、この博物館ではゲームをコミュニケーションメディアとしてとらえている。ここにも「Connecting people(人をつなげる)」とあるように、ゲームをすることで人と繋がるという点に注目しているのがわかる。筆者も北ドイツにいるので肌で実感することだが、北ヨーロッパでは長く暗い冬を過ごすことが多いので、ゲームのように室内でできる遊びによって経験を共有すること、コミュニケーションをとることの重要性は大いに共感できる。

#28
#28
博物館の一角には企画展示コーナーがあり、筆者の訪問時には、タンペレ大学の研究者による日本の「乙女ゲーム」が紹介されていた。博物館と大学、両者が連携して活動していることがよくわかるだろう。
また、ボードゲームやダンジョン&ドラゴンズのようなアナログゲームも多くコレクション、紹介されている。
レベルアップ!エストニアビデオゲーム博物館(エストニア、タリン)
LVLup! Video Game Museum of Estonia, Tallinn

#29
#29
最後に紹介するのは、同じく北欧、フィンランドの首都ヘルシンキからフェリーで2時間のエストニアの首都、タリンにあるレベルアップ!エストニアビデオゲーム博物館だ。
この博物館は、エストニア国立図書館内に設置されている(2025年3月当時。2026年3月現在移転のため閉館中、2027年に再オープンの予定)。
ゲームコレクションの形成は様々だが、この館の場合は最初は館長であるカミーユ·ロレリ氏の個人蒐集から始まった。アーティストでもあるロレリ氏の個展という形で彼自身のゲームコレクションを紹介したのが2018年頃、それが大きな反響を呼び、ゲーム愛好家などからの寄贈を受けたりするうちにコレクションが拡大し、次第にパブリックなゲーム展示施設となっていったという。ついに2022年には国立図書館内に設置されることになった。
博物館は、タリン美術アカデミーと提携関係にあるのだが、実は館長のロレリ氏が美術アカデミーの教員でもあるので、常に両者を行き来しているという運営の形だ。新しい収蔵ゲーム作品の組み立てやワークショプを美術アカデミーで行うなど、アーティストの育成にも役立っているようだ。

#30
#30
ここでは、展示しているゲームはほぼ全てプレイできるようになっている。申し込みなし、誰でも靴を脱ぎさえすれば、友達の家に行ったような感覚でゲームで遊ぶことができる。
ロレリ館長の信念は、「ゲームは経験だ」というもので、「遊ぶ」という経験なしには何も理解できない、ということから1990年代のコンソールなどもできるだけ当時のものをそのまま使っているという。しかしながら保存については、対応を検討中とのこと。フランスのBNと対極的の姿勢といえるだろう。
図書館に入る以前の個人コレクションを公開していた場所ではかつてのゲームセンターのような薄暗い雰囲気を作っていたが、いまはより子ども達の教育活動にも力を入れているため明るく開放的で、壁にキャプションやゲーム史の説明など、多くの情報を提供、ワークショップも頻繁に開催しているという。

#31
#31
旧ソ連にあったエストニアならではの、海賊版ゲームを多く所蔵しているのもこの博物館の特徴だ。左側、棚に陳列された2と3にゲームウオッチの海賊版とオリジナルがあるのが見えるだろうか。

#32
#32
この写真では右側に任天堂のファミコン、右側にその海賊版で灰色のDENDYがある。
赤い机の下にはNES(Nintendo Entertainment System :海外で流通していたファミコンの名称、ただし仕様は異なる)が見える。
アーケードゲームは場所の都合上、4台しか置いていないが、移転後にはもっと多く展示できるという。

#33
#33
写真は図書館内の別フロアで開催されていたレトロゲーム展の様子、ほぼ全てロレリ氏の私物だという。
コレクションの形成からして大変ユニークだが、実際のところこれらの博物館のコレクションとして見せているゲームの帰属がどこにあるのかについては、まだきちんと議論されておらず、今後の課題だという。
個人の熱意から始まる、それなしではあり得ないコレクションというものの形成と、それを元にした博物館化という過程、50年ほどのデジタルゲームの歴史を凝縮した形で見せるのが、ゲーム博物館の歴史であると、この度改めて学んだ。筆者はnote で詳しいレポートを書いているので、関心があれば参照いただきたい。
むすびに

#01 ゲーム博物館、コレクションのためのダイアグラム
最初のスライド#01に戻ろう。
こうして各館のコレクションの形成、展示の様子を具体的に見たところで、このダイアグラムの示す内容が、実は複雑に絡み合っていることが見えてきたのではないだろうか。
どこの施設もそれぞれのコレクションの形成や組織母体のあり方と照らし合わせながら、さらにゲームをどのように位置付けるかという各館の立場によって、保存とインタラクティヴ性が、両立あるいは揺らいでいるのが分かるだろう。また産業かあるいはアートや文化人類学という分類については、それぞれの施設の中でも複数の視点があるのはいうまでもない。
ただしこうして幾つかの施設のあり方を見ていく中で、これからもし私たちが新しくゲームの博物館、コレクションをつくることとなった場合に、自分たちは何を目指すのかということを念頭に置きながら、そのあり方を検討するのは有効かもしれない。
今回は、東京藝術大学というアートをつくることを学ぶ場で、皆さんとここにいることを考えると、アートにおけるゲームとは何か、という点についても踏み込んで考えることを念頭に置きながら、次の議論の場に移ることを願いたい。未来のゲームコレクションの形成に、今回のケーススタディがすこしでも参考になればこの上ない喜びだ。
(ご高覧ありがとうございました)
本調査は一部の私費に加えて、2024年度公益財団法人小笠原敏晶記念財団からの研究助成をいただき実現しました。ここにあらためて深く御礼申し上げます。
また発表の機会を提供してくださった東京藝術大学の八谷和彦氏、批評家の中川大地氏、その他関係者の皆様にも深く御礼申し上げます。
付記
*「ゲームの美学」共同研究をともに歩んだアーティストのジェレミー・コーティアル Jérémie Cortial 氏、吉田寛氏(東京大学)からは調査を通じて豊富な知識と示唆をいただき、非ゲーマーの美術研究者の筆者にとって代え難い学びとなりました。この場にて心より感謝申し上げます。
*各館訪問日等は以下の通り。当日案内や後日インタビューに応じてくださった各館の皆様に御礼申し上げます。またゲームの観覧・プレイ、並びに撮影は一人では不可能なものも多く、共に来てくれた家族にも感謝します。
・コンピューターゲーム博物館、ベルリン:(2022/07/15家族連れの観覧) 2024/04/10 (同行:ジェレミー・コーティアル)
・フランス国立図書館、パリ:2024/05/30
・ZKMアート·メディアセンター、カールスルーエ (Laura Schmidt 氏):2024/12/27(家族連れ)
・スイス·ゲーム博物館、ラ·トゥール·ドゥ·ぺ (Selim Krichane 氏):2023/10/27
・フィンランド·ゲーム博物館、タンペレ (Niklas Nylund 氏):2024/11/09-10(同行:吉田寛)
・レベルアップ!エストニアビデオゲーム博物館、タリン(Camille Laurelli 氏):2024/11/12-14(同行:ジェレミー・コーティアル、吉田寛)
*シンポジウムに関する記事は以下の通り:
「シンポジウム「ゲームクリエイターをクリエイトする」2日目レポート。世界中のゲームアーカイブにおける現状と課題から見えてくるものとは?」

