1.はじめに
「あいちトリエンナーレ2019」と「’86富山の美術」(富山県立近代美術館)には、四半世紀以上の時間の隔たりがあるが、今回、まったく同じような事象が起こってしまった。
そのきっかけとなった作品が、「あいちトリエンナーレ2019」の『表現の不自由展・その後』(以降、「不自由展」)に展示された、昭和天皇の写真をコラージュとして用いた大浦信行の版画《遠近を抱えて》の存在だった。
日本国憲法第一条では、「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定められている。
国民にとっての天皇とは、最も身近な存在である一方で、直接近づくことができない、最も遠いところにいる存在でもある。
また、日本に生まれ育った国民のひとり一人が、天皇を批判したり「ちゃかす」ことなどは極力避けてタブーにしてきた問題だった。
そして、天皇批判と誤解されそうな作品表現は、ある意味で「パンドラの箱」を開くことになりかねなかった。
作者が語りたかったこととは、「天皇批判」にあったのか。
ちなみに黒澤明監督の《羅生門》(芥川龍之介の『蜘蛛の糸』『藪の中』を原作にした映画)では、登場人物がそれぞれの立場によって、捉え方が異なる「事実」を語る。 そのような中に隠されている「真実とは何か」を考えさせられる作品だった。
1986年に富山で起こった美術による天皇の表現問題は、多くの人々を巻き込み、裁判が結審するまでに、展覧会開催時から14年あまりの歳月を要し、多くの関係者によってそれぞれの中にある「天皇像」という想いがぶつかり合い、双方が深い傷を負うことになった。
「現代美術」という表現の世界が、大浦信行の作品《遠近を抱えて》の出現によって、「美術」という領域の未来が大きく開かれ前進したのであれば、こんなにうれしいことはない。
しかしながら、「あいちトリエンナーレ2019」の出来事によって、「’86富山の美術」問題(以降、富山近美事件)から33年が経過しようとしているなかで、現代美術が多くの日本国民に認知されていなかったことを実感させられることになった。
私は、大浦信行の作品《遠近を抱えて》の本質がどこにあり何を語ろうとしていたのか、そして、しっかりと後世に伝えられてきたのかを、改めて見つめてみようと思った。
そのためには、「’86富山の美術」と「あいちトリエンナーレ2019」で起こった経緯を正確におさえながら、さらに、現代美術や美術館の外にいる多くの国民が、「現代美術(現代アート)」をどのように感じ受けとめているのかを、あわせて知ることからはじめようと思うのだ。
2.大浦信行の作品≪遠近を抱えて≫と「富山近美事件」
1) 富山県立近代美術館と『’86富山の美術』のこと
富山県立近代美術館(以降、富山近美)は、1981年にオープンした。
富山県出身の瀧口修造は、戦後を代表する現代美術の批評家・啓蒙家として知られ、富山近美には瀧口の遺品コレクションの多くが収蔵されている。
そして、富山近美の初代館長には、瀧口の思想を受け継ぎ現代美術を擁護する立場にいた小川正隆(東京大学出身、朝日新聞編集委員等歴任)が就任した。
瀧口修造の思想に近い新しい美術館づくりは、小川館長と現場の学芸員らの努力によって、富山近美オープン時から始まった企画展「富山の美術」(1981~95年)、「日本海美術展(1986~99年)」と「世界ポスタートリエンナーレトヤマ(1985年~)」の公募展、情操教育として「中学生のための美術館ガイドブック」を使った普及活動、瀧口修造コレクションの常設展示などの美術館独自の取り組みとなり、国内美術館の先進モデルの一つとしてその評価も高く、これまでに多くの優秀な学芸員を輩出してきた美術館としても知られてきた。
ところで『’86富山の美術』(1986年3月15日~4月13日)とは、富山県在住作家や県ゆかりの作家などの作品を紹介する、隔年開催の富山近美の企画展だった。
作家の選考は、4人(富山近美館長小川正隆、富山大学名誉教授玉生正信、美術評論家津山昌、詩人林昭博)が選考委員となり、推薦された60名から30人の作家が選ばれて展示された。
そして、選ばれた作品内容の判断については、選考委員の意見を聞いて最終的に小川館長が判断し決定されたとされる。
展示された大浦作品《遠近を抱えて》は、連作版画14点のうちの10点で、美術館が4点を購入し6点が作者から寄贈されたものだった。★参考文献:「公立美術館と天皇表現」 (1994年) 編著:富山県立近代美術館問題を考える会、発行:桂書房/「大浦信行に出会った頃」 (2016年) 島敦彦、美術評論家連盟会報
2) 「富山近美事件」が起きた発端
展覧会が終了して1ヶ月半が経過した時のことだった。
富山県議会では、1986年6月4日に教育警務常任委員会が行われ、その際に石沢義文(自民党)と藤沢毅(社会党)両議員から「不快感」発言が出たことで、翌日の朝刊に「天皇ちゃかし不快感」(北日本新聞1986年6月5日)、「美術論争 再熱 鑑賞者に不快感」(北陸中日新聞1986年6月5日)と掲載されたことが始まりだった。
3) 大浦作品≪遠近を抱えて≫とは一体どのような作品だったのか
大浦信行の経歴について簡単に触れておこうと思う。
富山県出身の大浦は、國學院大学を卒業してニューヨークに渡り、荒川修作(現代美術家)の助手を務めるなどした後に、日本に戻り美術家・映画監督として現在も活動している。
私が気になったのは、富山県という保守的な風土に生まれた大浦が國學院大学で学び卒業しているということだった。(実は、私の兄が國學院大学を卒業して神職の資格をとっている)
國學院大学は、国内に二つしかない神道系大学(教派神道系除く)であり、はたして大浦が天皇を揶揄(やゆ)するような作品をつくるのだろうかと、私は最初に疑ってしまったのだった。
また、昭和天皇の写真は、大浦がどこから手に入れたものだったのか。
あいトリ事件後に、「ご真影」という言葉を使った新聞記事を見かけることがあったが、加治屋健司の調べによれば、実際には『昭和 天皇史』(毎日新聞社1980年)からであり、「1億人の昭和史」シリーズの別冊として刊行された本の写真を使用していたとされる。
また、大浦は、ニューヨーク滞在中に、理論的な作品(コンセプチュアルアート)を発表している日本人美術家の荒川修作に接していたことで、作品づくりにあたって、日本人としてのアイデンティティの重要性とオリジナルとしてのテーマの必要性に、気づいたとしてもおかしくないのだ。
そして、自身の内なる「天皇」というテーマが、浮かんだのではなかったのか。
実際に大浦が、富山近美事件後に語っている作品《遠近を抱えて》についての説明・解釈の抜粋を、少し長くなるが以下に記しておく。
★参考文献:『あいだ』第112号 (2005年4月) 「大浦信行の《遠近を抱えて》はいかにして90年代的言説を準備したか」加治屋健司 P2~14
▲富山近美事件後に大浦信行が語った言葉 (抜粋)
【「私たちにあしたはあるのか!」富山県立近代美術館問題を考えるシンポジウム第1回(1993年6月6日)富山県民会館にて】
大浦信行「この作品は、ニューヨークに行ってちょうど6~7年目のとき、自分の自画像というものをつくろうと思ったというのがそもそもの動機です。自画像を描くといっても、ただ自分の顔を描けば完成するというものではなくて、あるいは鏡に映った自分の顔を描いて、それが自分の自画像だといえるほど問題は簡単ではない、単純ではないだろうと、僕は思ったわけです」
「顔とか名前とか体というものが、その人のアイデンティティを証明するものと果たして言えるのかどうかということがあったわけです。自分の視覚として見えるものは、それほど絶対的で信用できるものかという疑問がまずあった。もっと見えない魂の領域の中にこそ、自分自身の存在を見出すことができるのではないかと思ったわけです」
「極論をすれば、自分の魂の領域というのは、言葉を変えると、イマジネーションの領域といえるのではないかと思うのです。そして、自分の体の中から外へ外へと拡散していくイマジネーションこそ自分ではないかと思ったのです」
「一方、天皇というのは、一応存在はしているけれども実体というものは見えない。曖昧模糊としているわけです。その実態の見えない、曖昧模糊としている、ある空洞化された内部に、人々のイマジネーションがどんどん流れ込んでいるのではないか。それは非常に求心性をもって膨張と収縮を繰り返しているのではないか」
「そうすると、自分から外へ外へ拡散していく自分自身の肖像だろうと思うイマジネーションと、中へ中へと非常に収斂していく求心的な天皇の空洞の部分、そういう天皇と拡散するイマジネーションとしての自分、求心的な収斂していく天皇のイマジネーション、つくり上げたらイマジネーションとしての天皇と拡張する自分との二つのせめぎ合いの葛藤の中に、一つの空間ができ上るのではないかと思ったわけです。それをそのまま提出することで、画面の中に自分らしきものが表れるのではないかと思ったのです。僕にとってそれらを見つめるためにはニューヨークという距離が必要だったんだろうと思いますし、その距離が、逆にそういう表現を可能にさせたともいえるわけです」
「そして問題になっている、絵の中に散りばめられているヌードとか解剖図、骸骨といったそれぞれについては、それはどんどん拡散する、イマジネーションとしての自分のそれぞれの一部ではないかと思うのです。それらを画面の中に配置していく中で自分の肖像、イマジネーションとしての自分というものが浮かび上がってくるのではないか。僕がこの作品に「遠近を抱えて」というタイトルをつけた所以は、このような考え方があってのことで、天皇を引用した意味も、作者の意図も、すべてこのタイトルの中に含まれています。「遠近を抱えて」というのは、そのための一つのプロセスだと思っているわけです」 ★参考文献:「公立美術館と天皇表現」 (1994年) 編著:富山県立近代美術館問題を考える会、発行:桂書房 P166~174、P7~12
1986年の夏には、富山県議会議員による作品に対する「不快発言」が新聞等で報道されたことなどがきっかけとなって、富山近美や富山県庁に右翼団体が押しかけ、その代表による抗議「作品を破棄し焼却すること、小川館長を解任すること」(1986年7月22日記事)が、富山県側でその後に実行されたのだった。
特に私が気になったのは、右翼からの「作品を廃棄し焼却すること」の要求に沿った判断だったのか、富山県側が、美術館に収蔵されていた大浦信行《遠近を抱えて》10点を、後に作者から寄贈を受けた6点は返却し、美術館で購入した4点は個人に譲渡(売却)したのだった。 さらに残っていた図録470冊は、額面通り「焼却」したということだ。
天皇の写真(コラージュ)が掲載された図録は、ご真影とは言わなくとも「お札」「お守り」などと同類のものとして、焼却ではなく「昇華」を目的とした焚き上げのような丁重な処理を、右翼団体代表も望んでいたのではないかと私は想像してしまうのだ。
あくまでも新聞報道を事実として信じるしかないが、「焼却」という言葉の中には、感情抜きで機械的に処分してしまうという捉え方が一般的だろうと思うのだ。
今回の「あいちトリエンナーレ2019」の「不自由展」に出品した作家のうち、作品3点(①大浦信行《遠近を抱えてPartII》※動画、②藤江民《Tami Fujie 1986 work》、③嶋田美子《焼かれるべき絵》)は、偶然だったかもしれないが「燃やす」という行為が共通のテーマとなっている。 今回、藤江の作品とセットで展示された『’86富山の美術』展の図録(藤江民が所有)は、作家の心情として、作品と同様に大切に扱ってもらいたいという想いが強かったと思う。
特に図録は、作品のこん跡を後世に伝えるかけがえのない証の一つであり、「あいちトリエンナーレ2019」会場の来場者に、存在の意義を伝えたかったと思うのだ。
4) 「富山近美事件」の経過のまとめ
『’86富山の美術』開催から、裁判が結審するまでの約14年間について、その流れを以下に列記する。
1986/3/15 富山近美にて『’86富山の美術』が開幕
1986/4/13 『’86富山の美術』が閉幕
1986/6/4 富山県議会の教育警務常任委員会で、石沢義文(自民党)と藤沢毅(社会党)両議員から、大浦作品≪遠近を抱えて≫に対して「不快感」発言があった
1986/6/5 「天皇ちゃかし不快感」(北日本新聞1986年6月5日)、「美術論争 再熱 鑑賞者に不快感」(北陸中日新聞1986年6月5日)と報道される
1986/7/18 富山近美は、大浦作品と展覧会図録『’86富山の美術』の非公開を決定
1986/7/21 全国から右翼団体220人程が県庁周辺などに街宣車50数台で大規模な街頭宣伝をし、教育委員会と美術館に抗議。作品の破棄と焼却とともに館長解任を要求
1986/8/20 富山県立図書館の図録『’86富山の美術』の閲覧・貸し出し中止
1988/3/15 小川正隆美術館館長が辞意を表明。9月末に辞任が承認される
1988/3/18 「図書館の自由に関する委員会」(日本図書館協会)が富山近美の措置を「妥当でない」とする見解を発表
1989/1/7 昭和天皇逝去
1990/3/19 富山県立図書館が、図録の制限付き公開を決定
1990/3/22 図録公開の初日、県内在住の神職が図録を閲覧し、大浦作品ページを破る
1990/3/23 中沖知事が神職を器物破損罪で告訴。富山県議会は「図録破棄事件は、憲法で保障された表現の自由、言論の自由を侵害する行為」と声明発表
1990/10/27 地元作家を中心にした「表現の自由を考える会」が、「非公開を解くこと」「人権に関する精神を尊守すること」などを要求する署名呼びかけがスタート
1990/11/12 平成天皇「即位の礼」が行われる
1992/8/4 右翼団体幹部が、県庁内で中沖知事に殴り掛かり逮捕される
1993/4/20 富山近美が、大浦作品「遠近を抱えて」を個人に譲渡(売却)したことを、教育長が県議会で報告
1993/4/23 大浦信行が富山近美を訪れて、「売却」への抗議声明を発表
1993/4/30 図書館で図録を破った神職の「支援者だより」記事から、富山近美が作品売却と同時に図録の残部470冊を焼却処分していたことが発覚
1993/4/23 『’86富山の美術』展出品者の中から13人が教育委員会と富山近美に対し抗議声明を発表
1994/9/17 大浦ら(一審原告28名)が、富山県教育委員会を被告して作品の特別観覧請求権及び図録観覧権侵害を理由に富山地裁に訴訟
1998/12/16 富山地裁で原告側一部勝訴、のち原告被告両者が上告
2000/2/16 名古屋高裁金沢支部で原告側全面敗訴を受けて最高裁に控訴したが、2000/10/27上告棄却され敗訴決定(大浦を含む支援者によって起こされた裁判は約6年で結審)
3.「表現の不自由展・その後」と「あいトリ事件」
1) 『あいちトリエンナーレ2019』の概要
「あいちトリエンナーレ2019」(以降、「あいトリ」)は、2010年から3年ごとに開催され今回で4回目となり、今回、国内外から90組以上のアーティストが参加して4つのエリア(名古屋市、豊田市)で、現代美術展のほか、映像プログラム、パーフォーミングアーツ、音楽プログラムなど、さまざまな催しが計画された。
会期は8月1日~10月14日までの75日間。予算額約12億7千万円(内訳:愛知県負担、約7億9千万円、名古屋市負担約2億1千万円、事業収入(入場料、助成金、協賛金等)約2億7千万円)。テーマは『情の時代』だった。
2) 「不自由展」問題が起きた発端
マスコミ報道によれば、あいトリ実行委員会会長代行でもある河村たかし名古屋市長が、8月2日に「不自由展」を視察して、《平和の少女像》に「どう考えても日本人の国民の心を踏みにじるもの」と発言し、大村秀章愛知県知事に像の展示中止と撤去を要請した。
また、政府の菅官房長官は、記者会見で「あいちトリエンナーレは文化庁の補助事業として採択されている。 審査の時点では、具体的な展示内容の記載はなかったことから、補助金の交付決定では事実関係を確認、精査したうえで適切に対応していきたい」と発言した。
これに対して、津田大介芸術監督は、記者会見で「行政が展覧会の内容について隅から隅まで口を出し、行政が認められない表現は展示できないということが仕組み化されるのであれば、それは憲法21条で禁止された『検閲』に当たる」と主張。いっぽうで展示変更の可能性についても言及したとされる。
外部有識者による「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」の中間報告(9月25日)によれば、津田監督がキュレイター会議(2018年5月10日)で「不自由展」の参加提案をしてから「不自由展」が中止(2019年8月3日)になるまでの、1年3ヶ月の出来事の詳細がわかってきた。
私が特に気になったのは、2019年1月17日のキュレイター会議で、津田芸術監督が「極力(不自由展実行委員会が行う)キュレーショ ンに介入しないようにしたい」と発言したことだった。
この中間報告の記載内容が正しいとすれば、美術館での展示経験が豊富なキュレイターの参加の芽を摘むことになり、かりにキュレイターチームと協力体制を組んでいれば、電凸攻撃などに至らない展示内容(作品の選定や展示の説明方法など)に変わっていたかもしれない。
また、「あいトリ」が国内での他の大規模芸術祭との大きな違いは、作家の人選などに大きな権限が与えられる芸術監督に、第1回の建畠晢(詩人・美術評論家)を除いて、特に「現代美術」領域を専門とする美術館関係者や研究者などを登用してこなかったことがあげられる。
第2回が五十嵐太郎(建築史家/建築評論家)、第3回が港千尋(写真家/映像人類学者)、第4回が津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)である。
ちなみに、第4回芸術監督は、愛知県が運営する芸術監督選考員会(建畠晢ら委員7名)によって津田大介が選任(2017年6月4日)され、あいちトリエンナーレ実行委員会運営会議の承認を経て正式就任(2017年8月1日)している。
他のジャンルを知る芸術監督が就任することは、利点として新鮮で広がりを持った芸術祭になる可能性が高い反面、芸術祭の中核には「現代美術」という流れが存在することも事実であり、その外にはみ出す行為については相当の覚悟とともに、経験に裏打ちされた専門家のフォローが欠かせないといえるだろう。
今回、参加作家や作品の概要(詳細部分)が、芸術祭オープン間近まで鑑賞する側の私たちにも知らされることなく展示が始まったことは、芸術監督を含めた実行委員会内部での調整に問題を抱えていたと思わざるを得ない。
★参考文献:「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会中間報告」 (2019年9月25日) /「“あいちトリエンナーレ2019の芸術監督が決定しました”」 (2017年7月18日) 愛知県庁HP
3) 「不自由展」問題の経過のまとめ
『あいトリ』について、文化庁の補助事業応募から現在までの動きをまとめてみた。
2019/3/8 文化庁、愛知県からの「文化資源活用推進事業」の応募書類を受理
4/4 文化庁での審査委員会の結果、応募31件のうち「あいトリ」を含む26件が採択
4/25 有識者らによる審査会を経て、文化庁が愛知県に採択通知を発出
5/30 文化庁、愛知県からの補助金交付申請書を受理
7/31 朝日新聞が「不自由展」と「少女像」などの展示があることを報道
8/1 「あいトリ」が開幕
8/2 河村たかし名古屋市長が「不自由展」視察
8/3 大村知事および津田監督が記者会見で「表現の不自由展・その後」中止を午後5時発表。 愛知県に寄せられた「不自由展」への問い合わせ1,075件
8/4 「不自由展」公開が中止される
8/5 「あいトリ」出展作家イム・ミヌクとパク・チャンキョンが自身の作品の展示中止を申し出る。 以降出展作家の展示中止が続き、その数は10を超す
8/7 愛知県在住の堀田修司が、FAXによる脅迫(威力業務妨害容疑)で愛知県警に逮捕される。
8/16 第1回「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」開催
8/31 電凸攻撃(電話・FAX・メール)による業務妨害等の件数の合計は10,379件
9/17 第2回「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」開催
9/24 不自由展以外への出展作家が、「中止」を事実上の検閲と捉え、作品の展示を中止又は出品変更したものの数(合計13組、29作品)
9/25 大村秀章愛知県知事(芸術祭実行委員会会長)が「条件を整えた上で再開を目指したいと考えている」と表明。第3回「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」開催。中間報告を公表。その中で「条件が整い次第、『不自由展』を速やかに再開すべきである」と提言
9/26 文化庁、補助金の7,829万円を全額不交付発表。 大村知事は「国地方係争処理委員会」に審査を申し出る意向を示す
9/30 補助金審査委員へ不交付決定の報告メール送付
10/2 野田邦弘氏が、文化資源活用推進事業審査委員を辞任したいと文化庁に電話で連絡
10/8 「不自由展」再開。これにあわせて全作品展示再開
10/14 「あいトリ」閉幕
10/22 令和天皇「即位の礼」が行われる
11/14 名古屋地裁は、堀田修司被告に対して、懲役1年6月(執行猶予3年)の判決を言い渡した。
★参考文献:「あいちトリエンナーレの補助金不交付決定、採択を審査した外部有識者に意見聴取せず」 (10月2日) ハフポスト日本版Kaori Sawaki/「私はなぜ文化庁委員を辞めたのか」 (10月27日~28日) 朝日新聞(論座RONZA) 野田邦弘鳥取大学特命教授/2019年度「日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(文化資源活用推進事業)」(文化庁ホームページ)
4. 富山近美事件とあいトリ事件を分析する
1) 「’86富山の美術」と「あいトリ」の類似点
富山近美事件が、「あいちトリエンナーレ2019」『表現の不自由展・その後』公開問題と類似している点を以下に記述する。
① 展示の企画内容に影響力を持っていた人物が、新しい美術表現をリードする立場にあった。
【富山近美事件】 小川正隆(富山県立近代美館長)
【あいトリ事件】 津田大介(あいちトリエンナーレ芸術監督)
② 主催者側の立場にいた政治家が、最初に公の場で作品批判を行なった。
【富山近美事件】 富山県議会議員2名(石沢義文、藤沢毅)
【あいトリ事件】 河村たかし名古屋市長
③ 政治家の言動が、マスコミを通じて、広く情報が大衆に広まった。
【富山近美事件】 新聞やテレビの報道
【あいトリ事件】 新聞やテレビの報道にインターネットを使った報道も加わった
④ 関連物(作品や図録)の廃棄や展示中止が裁判に発展した。
【富山近美事件】 右翼団体による街宣活動や神職による図録の破壊などにより作品と図録が非公開になった事件
【あいトリ事件】 ガソリン携行缶でのテロ予告FAXなどで一部の展示が中止となった事件
⑤ 新天皇の即位時期と重なった。
【富山近美事件】 昭和天皇崩御と平成の天皇即位
【あいトリ事件】 平成の天皇退位での上皇と令和の今上天皇即位
2) 現代美術の概念と一般人の「美術」認識の違い
① 現代美術とマルセル・デュシャン《泉》
美術が、美術愛好家ではない一般市民から理解されにくくなったのは、いつ頃からだろうか。
鑑賞者が、作品を見て「美しい」「悲しい」「きれい」「いやされる」など、自分の感性で読み解きができた美術作品は、西洋美術ではゴッホの時代「後期印象派」の20世紀初頭までだったかもしれない。
ピカソやブラックらの「キュビスム」やデュシャンらの「ダダ」などの表現からは、作品を見てすぐには理解することが困難な時代に入ったといえる。
美術の表現世界では、20世紀に入ると多くのイズム(主義や主張など)が誕生した。 それぞれのイズムの誕生から、いくつもの系譜が生まれ今日にいたっているのだ。
特に、西洋美術の世界では、「ニューヨーク・ダダ」として活躍したマルセル・デュシャン《泉》(1917年)の出現によって、美術表現が大きく広がりをみせる転換点となる、近世の大航海時代のように「美術という船が大海に漕ぎ出した」といっても過言ではない。
マルセル・デュシャン《泉》(以降、デュシャン《泉》)とは、一体どのような作品だったのか。ここで簡単に触れておこうと思う。
マルセル・デュシャン(1887~1968年)は、1915年にニューヨークに渡ったフランス生まれの美術家だ。
デュシャンが、『アメリカ独立美術家協会展』(1917年)に《泉》というタイトルで作品を出品しようとするも展示を拒否され、この決定への抗議文が出されたことで一躍有名になった男性用小便器のことである。
通称「ニューヨーク・アンデパンダン展」は、所定の年会費を払えば会員になれ無審査で作品を出品することができた。
作品《泉》についての私の解釈は、「この作品は、建築で使用される用途としての衛生機器「小便器」とは似て非なるもので、視覚的に見える形や色彩や構図の問題ではなく、日常的に使用する品物(レディメイド)を使用したに過ぎないということだ。 問題の本質は、それまでの西洋美術の彫塑「作家が自ら作る」という造形表現の既成概念に一石を投じたもので、「彫刻」という表現から「立体」という新しい表現がはじまる先駆けとなったもの」だった。
《泉》の出現は、美術館(ホワイトキューブ)の中での「現代美術」表現で、新しい「拡張された美術」の可能性を、20世紀美術に問題として投げかけたのだった。
しかしながら、今日、既製品の便器が「美術」品と認められるのかといえば、今でも一般人には理解しがたいと思われる。
もし日本の中学生に「デュシャン《泉》は美術作品ですか?」と質問すれば、多くの若者たちが違うと回答すると私は思うのだ。★参考文献:平芳幸浩『マルセル・デュシャンとは何か』 (2018年) 河出書房新社
② 現代美術の一般認識と美術教育の現状
現代美術の領域にいる美術家や美術関係者から広がったデュシャン《泉》の美術思想は、日本の美術教育をとおして、どのように十代の子供たちや若者に伝えられてきたのだろうか。
私が調べたところによれば、国内の中・高校教育(美術)では、確かに「キュビスム」「シュルレアリスム」「抽象美術」などの西洋美術の動きに触れている教科書もあった。
そして、高校(1年)の一部の美術教科書には、20年前、ようやくデュシャン《泉》が「美術史年表」に作品写真が登場するようになった。
さらに3年ほど前からは、デュシャン《泉》の作品解説を載せた、高校(2年)の教科書も出はじめている。
しかしながら、多くの場合、デュシャン《泉》の作品が教科書に掲載された後も、生徒らに作品の意味を詳しく説明していないことが、私が行なった現役中学・高校教師への聞き取りでもわかってきた。
★参考文献:中学校『美術2.3』 光村図書・1996年文部省検定済教科書/高校『美術1』日本文教出版・ 2002年文科省検定済教科書/中学校『美術2.3上』 光村図書・2011年文部科学省検定済教科書 P49/高校『美術1』 光村図書・2016年文部科学省検定教科書 P84~86/高校『美術2』 光村図書・2017年文部科学省検定教科書 P23
いまだに、一般市民が持っている美術の常識と、現代美術系の美術家の認識には、100年近くの美術史理解の違いが生じているのだ。
国・県・市などの大きな行政体が主催する芸術祭には、海外で活躍する西洋美術の系譜にあるアーティストが多く参加する時代になった。
近年の国際的な芸術祭に参加する作家たちの表現の傾向は、従来から一般に知られている「絵画」「彫刻」とは異なり、「平面」「立体」という表現が主流になっており、さらに美術というジャンルの中で「映像」「パフォーマンス(パフォーミングアーツ)」表現も増えている。
なお、国内で現代美術における「絵画」「彫刻」が、「平面」「立体」という表現に組み込まれていく転換点になったのは、私の調べでは50年前の1969~71年だったと思う。(特に<もの派>の誕生に影響を与えたとされる当時のグループ<幻触>の作品表現に大きな変化を見ることができる) この結果、日本の現代美術が大きく変わりはじめたのは、約50年前のことで、その美術表現は100年前に誕生したデュシャン《泉》の系譜にあるといえるだろう。★参考文献:本阿弥清『もの派の起源』 (2016年) 水声社P40
結論からいえば、富山近美事件やあいトリ事件が生まれた根源には、国内でこれまで美術館が行ってきた現代美術関連の展示や普及活動の認知不足と、20世紀美術が大きく変化してきたことを、学校の美術教育などの中でしっかりと教えることができなかったことに問題があったと私は思っている。
確かに美術にかかわる教育者であったとしても、十代の子供たちにデュシャン《泉》が美術作品と説明することは容易なことではないだろう。
今後、国民が「現代美術」に親しみ理解して行動するためには、美術の教育関係者とともに多くの大人たち(親や新聞・テレビ・雑誌等のジャーナリズムにかかわる人々など)が、自ら西洋美術の流れと意義を知る機会を増やし、未来を担う子どもたちに語り伝えることが急務といえる。
③ 富山県の風土と瀧口修造の系譜
「’86富山の美術」での大浦信行(富山県出身)の作品展示では、富山県の風土(富山県は雪深い北陸地方にあり、田園地帯が広がる富山平野の肥沃な土壌を活かした稲作が盛んで、親鸞聖人の教えを説いた浄土真宗の門徒が多い土地柄)と、県民性(堅実、忍耐強い、寡黙、勤勉、保守的で地元意識が強く封建的で排他的)が、目に見えてこない声なき人々 (サイレント・マジョリティー) の想いが表面化し、富山近美を擁護する立場にあるはずの富山県側(県教育委員会など)が、小川館長らの方針と距離をおくことになり、館長や美術館学芸員らが孤立していったものと思われる。
また、富山県は、伝統産業の井波木彫刻や高岡銅器などの生産が盛んで、日展系作家らも多い土地柄であり、富山近美の基本方針「国内外における20世紀美術の流れを展望する」によって、「現代美術」に片寄っていくことへの不満が、地元美術家らの中には少なからずあったことも事実だろう。
20世紀美術や戦後の現代美術に光を当てようとした瀧口修造がめざした美術館は、結果的に富山近美事件と小山館長の辞任によって、美術館設立当初の美術理念の実効性が弱まり、後任の館長には県教育委員会出身者が選任されることになった。
後に富山県では、富山近美を補完(伝統的な流れをくむ美術の紹介の場)となる富山県水墨美術館(1999年)が造られ、「富山県立近代美術館」は老朽化と耐震基準に満たないという理由で、新築移転に伴い改名もされ「富山県美術館(アート&デザイン)」となって2017年にオープンした。
一方、隣県石川県の金沢市では、現代美術をテーマにした金沢21世紀美術館がオープン(2004年)し、若い世代のニーズにあった美術館として、国内外からの来訪者に親しまれている。
富山近美学芸員時代に「’86富山の美術」の副担当だった島敦彦は、富山近美学芸員からスタートして、富山近美事件後に大阪の国立国際美術館に移り後に副館長、愛知県美術館館長を経て、2017年からは金沢21世紀美術館館長に就任している。
富山近美の美術館理念と独創的な活動は、富山近美事件を境にして現代美術の魅力を県民に伝え広げるという活動は停滞することになった。
富山県が、富山近美事件で傷を負った以後、「現代美術(現代アート)」という21世紀を照射する新しい表現と真正面から向かいあうことが少なくなったことは、不幸な33年間だったと私は思えてならない。
富山県民の多くが、特に現代美術に対して理解不足ということではなく、愛知県民を含めた日本国内に暮らす多くの人々にもいえることだと私は思う。
3) 公権力と公人としての政治家の発言力
① 富山近美事件とあいトリ事件
富山近美事件は、富山県議会の藤沢議員と石沢議員の二人の発言が始まりだった。
私は、特に藤沢議員の常任委員会での発言を早計に責めようとは思わない。 それは、当時の発言議事録を読むと、富山県民や地元美術家の声の代弁者として真剣に憂いていることが伝わってくるからだ。
しかしながら、藤沢議員が、委員会で語った低い次元の憶測情報「展示した作家の背景に天皇在位60年を批判させるための思想的意図が隠されていた」「作家としての売名行為であった」などに惑わされて行動したことは、非常に不幸なことだったと思う。
さらに、委員会での石沢議員の発言を引用した新聞社が、「天皇ちゃかし不快感」などと書いたことで火がついた。結果的に今でいう「炎上」を起こしてしまった。
一方、あいトリ事件では、河村名古屋市長の発言を受けて、その発言を擁護する意見と批判する意見が国内の知事・市長らから一斉に出された。
公人の立場で河村市長の発言(不自由展の中止)を擁護する会見をしたのは、松井一郎大阪市長、吉村洋文大阪府知事、黒岩祐治神奈川県知事らで、一方、圧力に屈してはならないという立場をとったのが、福田富一栃木県知事、達増拓也岩手県知事、杉本達治福井県知事らだった。
特に、河村市長を擁護した政治家の発言には、芸術論からの判断ではなくて、自身の政治的思想的心情が表れているといえるだろう。★参考文献:「公立美術館と天皇表現」 (1994年) 編著:富山県立近代美術館問題を考える会、発行:桂書房) P171/「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会中間報告」 (2019年9月25日)
② 政府と文化庁の透明性と品格
私は、これまで20年間、NPO法人の立場で「現代美術」と向かい合ってきた。 また、私自身、文化庁の助成事業(実施計画書と収支予算書の制作から事業の実施と実績報告書提出まで)を一貫しておこなう地域文化振興のプロジェクトに、最近まで深くかかわってきた。
日本の行政による公共事業は、単年度で予算が執行されることが普通であり、文化庁の補助事業も、12月~1月ころにかけて新年度の募集要項などが公表され募集が始まることが多い。
今回、愛知県が文化庁に補助金を申請した「日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(文化資源活用推進事業)」は、新規事業でもあり事業公募の公表が他事業よりも1~2ヶ月遅れていたと思われる。
また、応募書類の提出期限が、3月1日~3月11日と、極めて提出時期が遅く期間も短いため、過去の事例などをみならって事業実施の要望内容を事前に決めておく必要があった。
事業タイトルの冠になっている「日本博」とは、安倍総理が掲げる「日本の美」総合プロジェクトを引き継ぐ形で始動したもので、文化庁が全体総括する立場にあった。
そして、「日本博総合推進会議」は、安倍総理(議長)、菅内閣官房長官(議長代理)、文部科学大臣(構成員)、高階秀爾大原美術館館長(構成員)ら12名のメンバーで構成されている。
愛知県が補助申請した事業は、文部科学省の外局に位置する文化庁の新規事業にすぎないと思われがちだが、実は内閣府(総理)の意向が反映されやすい事業だったのだ。
さらに、安倍総理の側近とされる萩生田光一(元官房副長官)が、文科相に就任(2019年9月)したことの意味も大きい。
文化庁が今回のあいトリ事件で補助金交付中止を決めた理由は、安全対策が不十分だったとする「申請者の愛知県が展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような事態が起こる恐れを認識しながら、国に申告しなかったことを「手続きにおいて不適当な行為」としている」点だった。 また、萩生田文部科学相は、同日記者会見し、「(展示の)中身については文化庁は関与していない。検閲には当たらない」と読売新聞記事では伝えている。★参考文献:「愛知の芸術祭 文化庁が補助金不交付を決定」 (2019年9月27日) 読売新聞
募集案内の審査項目には「提出された書類を基に外部有識者による審査委員会を行ない、採択事業を決定する」とあり、又、補助金の交付にあたっては「実績報告書の内容を審査し、その成果が補助金交付決定の条件に適合すると認めたときは、交付すべき補助金の額を確定し交付する」とある。
また、事業実施での留意点としては、「実績が計画と著しく異なる、効果や成果の把握ができていない場合には、交付決定を取り消すこともある」と記載があり、この部分で交付決定が取り消されたものと思われる。★参考文献:2019年度「日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(文化資源活用推進事業)」募集案内 (文化庁ホームページ)
私には、現場で作業をしていた文化庁の担当部署「地域文化創生本部 暮らしの文化・アートグループ」の職員が、「安全対策の不備を国に申告しなかった」とする理由を条件に不交付を決めたとは到底考えられないのだ。
今回は、トップダウンの形で総理に近い関係者らの何らかの意向が働いて、「検閲」論争に持ち込まないための理由づけだったと思えてならない。
本当は、文化庁が、事業完了後に提出が義務付けられている事業実績と事業実施前に提出した事業計画書との内容チェックをして、そこにソゴ(食い違い)があったとしてもソゴの原因を精査して減額などの処置をとるのが、常識的な判断ではないのか。
私には、あいトリ事件が起こる原因になった「不自由展」が短い期間だったにしろ8月1~3日と10月8~14日に開催され、「不自由展」再開後には他会場の展示もすべて再開されたことを判定材料に入れない理由がわからない。
特に、文化庁内部の審査委員会などの承認を得ずに補助金全ての支払中止が文化庁内部で決定されたことは、透明性をもった審査の方向性に逆行するものであり、補助金事業のあり方自身が今後問われる重要な問題だ。
さらに、2016年に文化庁長官(第二十二代)に就任した宮田亮平(前東京藝大学長)は、過去の長官人事では珍しく、作家(金工作家)出身であり日展会員(工芸美術部門)の立場でもある。
現在、日本で開催されている大規模芸術祭は、西洋美術のビエンナーレやトリエンナーレを踏襲した20世紀西洋美術の系譜にいる作家・作品が選定されることが多く、これまで日本に根付いてきた伝統的な芸術文化の流れと一線を画していることも、宮田長官の国会答弁の歯切れの悪さに表れていると私は思う。
文明社会では、組織や団体などの集合体が、巨大なほど透明性が保たれなければ誤った方向に進むことを、過去の歴史が証明している。
先日、外務省(在オーストリア日本大使館)でおきた、ウィーンで開催中の日本展「ジャパン・アンリミテッド」の「両国の友好150周年事業」認定を取り消した問題は、あいトリと同様に、展示作品に対して寄せられた問い合わせが政治家からだとすれば、国内では多様な現代美術の表現がいまだに広く受け入れられていない証拠だろう。
私には、権限を持つ政治家・官僚上層部の顔色をみた大使館員の忖度が働いたのか、又は政治家・官僚上層部からの指示で認定が取り消されたのかがわからないので、現在の情報だけでは大使館職員の行動を一方的に責めることはできない。
かつて、近藤誠一文化庁長官(第二十代)とそのブレーン(文化庁や外務省職員ら)は、ユネスコ世界遺産登録に際して、ほとんど不可能といわれていた日本の登録申請を次々に実現させてきた歴史があった。
例えば、2013年に世界文化遺産に登録された「富士山」の構成資産の一つ「三保松原」は、登録合否が決定する6月の世界遺産委員会(プノンペン)で、三保松原の登録が審議開催の前日まで難しい状況(ユネスコ諮問機関のイコモスからは三保松原の登録除外勧告が出されていた)とされる中で、各国20名近くの大使ら委員に対する近藤長官らのロビイングなどが功を奏して、奇跡的に登録を勝ち取ったことがあった。
近藤長官や登録活動の中心にいた関係者が、富士山から45キロ離れた三保松原が有する借景としての文化的価値と登録の意義を正確に伝えるため、連携しながら交渉にあたった地道な努力のたまものだった。
あいトリ事件は、行政側(文化庁とともに愛知県や名古屋市など)に「現代美術」に詳しい経験豊富な人材の登用に恵まれなかったことが、結果的に大きな混乱を招いた原因の一つでもあったと私は思えてならない。★参考文献:近藤誠一『FUJISAN 世界遺産への道』 (2014年) 毎日新聞社
4) テレビ・新聞社などのマスコミによる情報操作と影響力
① マスコミ報道とインターネットの普及による情報の多様化
富山近美事件は、天皇の肖像問題だけだったので、現代美術関係者を除けば富山県以外では情報の広がりが少なかった。
一方、あいトリ事件は、天皇を扱った作品《遠近を抱えて》の他に、《平和の少女像》などの日韓関係にかかわるテーマもあったことで、新聞・テレビ・雑誌・口コミなどの多くの情報が、インターネットの発達によってだれでもが簡単に情報収集することができ、海外にも情報が広がった。
富山近美事件とあいトリ事件では、特にインターネット通信の有無によって情報の広がりに大きな違いが生じたといえる。
② マスコミの情報操作による偏向記事とその影響力
国家などの大きな集団では、公人としての政治家の発言とともに、マスコミ(新聞、テレビ、雑誌など)での情報発信の影響力は大きい。
多くの読者や聴衆は、一部の事実を切り取る偏向されたマスコミ報道によって、真実が見えてこない危険性があるのだ。
富山近美事件では、北日本新聞と北陸中日新聞が事実の一部を切り取り報道した。
■「天皇ちゃかし不快感」 (北日本新聞1986年6月5日)
■「美術論争 再熱 鑑賞者に不快感」 (北陸中日新聞1986年6月5日)
一方、あいトリ事件は、あいトリがスタートした8月1日から一斉に各報道機関の方針に沿った論調で、事実の一部を切り取り報道された。
■「愛知県の慰安婦像展示のイベント 菅長官「事実関係を精査し、適切に対応」」 (産経新聞2019年8月2日)
■「表現の不自由展、中止 テロ予告・脅迫相次ぐ 津田芸術監督「断腸の思い」」 (朝日新聞2019年8月4日)
■「74%が反対「慰安婦少女像」の芸術祭展示問題アンケート結果発表 あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止騒動」 (週刊文春デジタル2019年8月5日)
■「公金10億円が費やされた 「表現の不自由展」にあの黒幕」 (週刊新潮8月15・22日号)
5) 苦情・批判の状況と対応
① 抗議の状況と対応
富山近美事件は、「’86富山の美術」の会期終了後に起こった騒動で、当時、富山県庁や美術館にどのような抗議が寄せられていたのか、現場での詳細についてはわからない。
しかしながら、当時の新聞報道によれば、全国から右翼50団体約220人、街宣車50数台が駆けつけて抗議をしたとされ、美術館職員や県庁職員などが想像を超える恐怖心を味わったと推測できる。
一方、あいトリ事件では、「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会中間報告」によれば、芸術祭事務局には7月31日から抗議の電話が始まり、午後には事務局の電話回線がパンク状態になったとされる。
また、電凸による抗議数とその内容は、10,379件(8月1日~31日)で脅迫には「ガソリン携行缶を持って館へおじゃまします」「愛知県職員らを射殺する」などがあり、ガソリン携行缶についてFAXを送った容疑者は8月7日に逮捕された。抗議電話の数は、想定をはるかに超えるものだったという。
あいトリでのその後の対応は、苦情電話を専用に受ける「コールセンター」を設置して、専用電話(8台)で対応する体制を整えたとされる。★参考文献:「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会中間報告」 (2019年9月25日)
② 富山近美事件とあいトリ事件におけるアーティストらの動向
富山近美事件では、「’86富山の美術」に参加した作家や現代美術系の美術家・評論家(大浦信行、堀浩哉、藤江民ら参加作家と小倉利丸ら地元支援者及び針生一郎、池田龍雄、前山忠ら県外・在京美術関係者ら)による動きとして発展し、富山と東京では「富山県立近代美術館問題を考えるシンポジウム」(1993年)が開催された。(私も賛同者の一人として、東京でのシンポジウムを傍聴したことを思いだす)
一方、あいトリ事件では、特に海外参加作家を中心に展示再開のアピールが行われたほか、国内の参加作家を中心に問題解決のための『ReFreedom_Aichi』(リフリーダム・アイチ)などが結成され、SNSなどを使って愛知県を越えた全国的な広がりを見せた。
5. 富山近美事件とあいトリ事件を踏まえた現代美術の未来
1) 21世紀の現代美術の姿
日本最大級の国際芸術祭「あいトリ」は、混乱のうちに会期75日間の活動を終えて10月14日に閉幕した。
戦後日本では、記憶に残る2つの美術関連事件(赤瀬川原平の通称「千円札裁判」(1960年代後半)や、大浦信行《遠近を抱えて》を展示した「86富山の美術」(1986年)の富山近美事件)をしのぐ、美術領域を超えて政治・思想、行政、国際、人権、安全管理、情報など、さまざまな問題が絡んだ出来事に発展していった。
21世紀に入って20年が経過した今、国際化のなかで日本という国だけでは捉えきれない問題が生じているといえる。
特に、人間としての尊厳を守ろうとするマイノリティや弱者への救済意識は、「LGBTQ+」の権利尊重や「Me Too」などの運動となって、美術の世界でも採り上げられるようになった。
津田芸術監督が掲げた「あいトリ」のテーマ『情の時代』では、参加作家数を男女同数に近づけたり、「不自由展」などによる<自由と平等>の精神につながる試みなど、美術を超えた領域にまで踏み込んだ催し物となった。
私は、試みとしては間違っていなかったと思う。多くの国民の目が「不自由展」に向けられていたが、参加した多くの国内外の作家・作品の質は非常に高く、見応えのあるものだった。
2) 現代美術の普及と美術教育の問題
実は「あいトリ」が事件として発展したのは、芸術祭の作家・作品に問題があったのではなく、現代美術の存在とその意義が、広く国民に浸透していないことにあったと思う。
「富山近美事件」も「あいトリ事件」も、始まりは政治家の発言からだった。 だとすれば、「政治家が悪い」と言ってしまいがちだが、根本には美術を含む教育の問題にあったと私は思っている。
学校教育法(1947年制定)では、小・中・高校の教育の目的が、以下のように示されている。
「生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸等について基礎的な理解と技能を養う」(小学校)
「学校内外における社会的活動を促進しその感情を正しく導き、公正な判断力を養う」(中学校)
「社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努める」(高等学校)
教育者は、これまで子供たちや生徒に対して、基礎的技能からスタートして、感情を正しく導き公正な判断力を養い、健全な批判力と個性の確立を促す教育を、しっかりしてきたといえるのだろうか。
特に、美術教育の中の「現代美術」は、技術面だけでなく幅広い新しい知識が必要であり、教育者側がついていけない部分もあるだろう。
また、デュシャン《泉》が、中学校美術教科書の「美術史年表」に登場するようになったのは20年ほど前のことであり、日本に新しい美術の流れを浸透させるには時間が必要なこともわかる。
そのような現状のなかで、美術教育にかかわる関係者にお願いしたいことは、広く国民(特に十代の若者たち)に対して「現代美術」について理解される努力を惜しまないでほしいということだ。★参考文献:「学校教育法」第十八条、第三十六条、第四十二条
3) 美術館と芸術祭の関係
日本で最初に公立美術館が誕生したのは、神奈川県立近代美術館(1951年)で、その後、東京の国立近代美術館(1952年)と続き、20世紀後半までには全国各地に大小さまざまな美術館が建設された。
また、海外の美術祭典(ビエンナーレ、トリエンナーレなど)を参考にして、日本型の国際的な芸術祭がスタートしたのは、2000年からだといえる。
主な芸術祭としては、越後妻有アートトリエンナーレ(2000年~)、横浜トリエンナーレ(2001年~)、あいちトリエンナーレ(2010年~)などがある。
始まりは、民間施設などを会場として行われていたものが、徐々に公益性の高い施設や公立美術館なども活用されるようになり、近年は、行政主導(補助金による支援や美術館等の施設を利用)による芸術祭も増えてきた。
今回、日本における20年という芸術祭の歴史のなかで、現代美術側と一般市民側の「美術」に対する認識の違いが、「あいトリ事件」で表面化したといえる。
美術関係者が行うべき緊急の課題は、広く国民などに対してデュシャン《泉》などの「現代美術」の存在と意義を正しく伝えることだろう。
そして、今後、公立美術館などの公的施設や公金を使った芸術祭を実施する場合には、「あいトリ事件」を一つの教訓として、参加するアーティスト側と見る側が、批判ではなく理解しようと歩み寄る努力をすることだと私は思うのだ。
6.あとがき
私は、個としての人間と集団としての組織や国家が敵対したり噛み合わなかったりすると、いつも思い出すのが思想家で詩人の吉本隆明の『共同幻想論』だ。
吉本は、太平洋戦争の終戦をむかえるまでは「主戦主義者」だったという。
富山県魚津市の勤労動員先の日本カーバイド魚津工場で、昭和天皇の玉音放送を聞いて敗戦を知り、世の中が思想的にも180度大きく変わった状況に接し、深く傷つき涙を流したという。★参考文献:NHK ETV特集『吉本隆明 語る 沈黙から芸術まで』 (2009年1月4日)
天皇という存在は、直接会うことはほとんどないにもかかわらず、日本人の心に深く入り込み、それぞれの内なる天皇が「幻想」のような形で存在している。
天皇を芸術の世界で、特に文学などと異なる視覚に訴えかける「美術」表現で扱うことは、非常に難しいことでもある。
大浦信行が、作品発表後にどれだけの混乱が生じるのかを想定していたかは定かでないが、恐れることなく天皇の肖像を使って作品をつくり発表した。
タブー視されていた天皇を使った作品が、現代美術というジャンルで<表現の自由>の一つの扉を開いたことも事実であり、それも30年以上前のことだった。
今回、富山近美事件の教訓が活かされなかった理由には、富山県出身の瀧口修造(美術評論家)が遺した「国内外における20世紀美術の流れを展望する」という美術館の流れが、富山県では富山近美事件によって「現代美術」の勢いが図らずも立ち止まり、その後は停滞してしまったことだった。
実は、富山近美事件とあいトリ事件では、主催者側の対応に違いがあった。
それは、富山近美の建設が中田幸吉前知事(当時)の着想でできたものであり、富山近美事件の当事者となった中沖豊現知事(当時)ら行政側が、事件後には現代美術系の美術館活動を積極的に擁護しない傾向が見て取れたことだった。
これに対して、大村愛知県知事は、あいトリ実行委員会会長の立場でもあり、芸術祭側に立って、結果的に「不自由展」の再開の立場を取ったことだった。
21世紀がはじまって20年が経とうとしている。 人類の未来を照射するための新しい表現としての「現代美術」が、国際的な芸術祭などをとおして多くの県民・市民らに温かく見守られながら、成熟した文化都市の形成に寄与する処方せんの一つになって欲しいのだ。
私が、今回、「あいちトリエンナーレ2019」事件を詳しく調べることにした経緯について、簡単に触れておこうと思う。
私自身、全国の大きな美術展には、極力、出かけるように心がけてきた。
当然、過去に行われた「あいちトリエンナーレ」「越後妻有アートトリエンナーレ」「横浜トリエンナーレ」は、これまで欠かさず見てきた。
特に今回は、「あいちトリエンナーレ」に参加したキュレイターや「不自由展」の実行委員会メンバーに知人がいたことや、過去に沖縄での大浦作品展示で会場側から展示拒否にあった友人のキュレイターもいたこともあり、親近感を持った展覧会として期待していたのだった。
さらに、これまでの美術展では、展覧会期の後半に出かけることが多かった私が、今回に限って、開催間近の8月3日(土)に名古屋に出かけ、結果的に「不自由展」を見ることができた数少ない入館者の一人となったことも運命と感じていた。
以下、私が8月4日から集め出した「あいちトリエンナーレ2019」の関連情報(新聞、雑誌、投稿記事、公文書等インターネットで収集できるもの)は、現在(12月19日時点)主なものだけでも約200件あり原稿用紙1,230枚分(約49万文字)となり、全てに目をとおし活字データとしても保存している。
ほかにも、動画配信(民放テレビニュース、AbemaTV、YouTubeなど)も見ているので、その情報量は途方もなく増えていった。
私が、これまでに収集した主な関連情報の一覧(リスト)を以下に掲載するので、興味のある人はインターネットでの検索が可能なものも多いので参考にしてもらいたい。
なお、インターネットでは手に入りにくい地方新聞や雑誌などの情報については、拾い落としも多々あると思うがご容赦願いたい。
<インターネットで入手可能な主な情報一覧>本阿弥清編(※2020年1月までの情報)
■「大浦信行の《遠近を抱えて》はいかにして90年代的言説を準備したか」 『あいだ』第112号(2005年4月)、2-14頁 ※加治屋健司BLOGより
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年5月14日トリエンナーレスクール vol.14 『世界と日本における芸術祭の歴史と文脈』 ゲスト:加治屋健司
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年8月1日お知らせ ついに開幕!「あいちトリエンナーレ2019」スタート!
■あいちトリエンナーレの公式ホームページ 2019年8月1日~3日(3日間のみ公開 ※4日より公開中止処置) 表現の不自由展・その後展
■自民「護る会」、慰安婦像展示イベント「公金投じて行うな」 2019年8月2日 産経新聞
■愛知県の慰安婦像展示のイベント 菅長官「事実関係を精査し、適切に対応」 2019年8月2日 産経新聞
■昭和天皇の写真を焼く映像や慰安婦像展示 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に批判殺到! 芸術監督・津田大介氏は涙の会見「職員は抗議や批判に心身疲弊」 2019年8月3日 夕刊フジ
■日本が表現の不自由宣言 韓国の少女像制作者が反発 2019年8月3日 47news=共同通信
■名古屋市長、関係者に謝罪要求 少女像展示で 2019年8月3日 47news=共同通信
■表現の不自由展、中止 テロ予告・脅迫相次ぐ 津田芸術監督「断腸の思い」 2019年8月4日 朝日新聞
■「表現の不自由展」は、どんな内容だったのか? 昭和天皇モチーフ作品の前には人だかりも《現地ルポ》 2019年8月5日 ハフポスト日本版
■「表現の不自由展」の中止が突きつけた重大な課題「あいちトリエンナーレ2019」の目玉企画はなぜ中止されたのか。何を考えるべきか 2019年08月05日 米山隆一 前新潟県知事。弁護士・医学博士 朝日新聞
■表現の不自由展中止:朝日と読売の扱いが違いすぎてワロタ 2019年08月05日 アゴラ編集長 新田 哲史
■扱いが分かれた「表現の不自由展・その後」の中止~在京紙の報道の記録 付記・MIC声明「『表現の不自由展』が続けられる社会を取り戻そう」 2019年8月5日 ニュース・ワーカー2 美浦克教
■大村知事に賛同相次ぐ 河村たかし市長を「憲法違反」と猛批判 2019年8月5日 女性自身
■74%が反対「慰安婦少女像」の芸術祭展示問題アンケート結果発表
あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止騒動 2019年8月5日 週刊文春デジタル
■「政治と芸術」の密接な関係を議論する好機を逸してしまった「慰安婦少女像アンケート」辻田真佐憲氏コメント 2019月8月5日 週刊文春デジタル 「週刊文春デジタル」編集部
■あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」をめぐって起きたこと――事実関係と論点の整理 2019月8月5日 YAHOO JAPANニュース 明戸隆浩 | 社会学者
■「表現の不自由展・その後」とはそもそもどんな展覧会だったのか 2019年8月6日 毎日新聞 塩田 彩
■美術家・大浦信行さんと天皇コラージュ事件 2019年8月6日 月刊「創」
■「表現の不自由展」中止を新聞はどう報じた 朝日は大論陣、一方産経は、読売は…? 2019年8月6日 J-CASTニュース
■津田大介氏は「表現の不自由展」で何を目指したのか 開幕前に語っていた「企画意図」 2019年8月6日 J-CASTニュース
■「あいちトリエンナーレ2019」における「表現の不自由展・その後」の中止に対する意見表明 2019年8月7日 美術評論家連盟 (後に追加発表「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金不交付決定への抗議声明 2019年9月29日 美術評論家連盟)
■私が「あいちトリエンナーレ」でやらかした津田大介さんをそれでも支持する理由 そりゃあまあ燃えるよね、と思うのですが…… 2019年8月8日 山本一郎(作家・個人投資家) 週刊文春デジタル
■あいちトリエンナーレ問題 脅迫FAX犯人逮捕でも安心できない理由 2019年8月8日 週刊朝日
■「表現の不自由展・その後」中止事件と「天皇の写真を燃やした」という誤解 2019年8月8日 篠田博之 月刊『創』編集長
■愛知企画展中止 主催する側にも甘さがあった(社説) 2019年8月9日 読売新聞
■不自由展、作品に「不快」批判 天皇肖像燃やす表現 来場者「悪意に満ちていた」 愛知の芸術祭、企画展中止 2019年8月10日 産経新聞
■【「あいちトリエンナーレ2019」協賛企業・個人の皆様へ】 2019年8月13日お知らせ
あいちトリエンナーレ 公式Webサイトへの協賛企業・団体名の掲載について あいちトリエンナーレ2019芸術監督 津田大介
■「表現の不自由展・その後」中止めぐる「週刊新潮」「産経」の報道と緊急局面 2019年8月14日 篠田博之 月刊『創』編集長
■従軍慰安婦はデマ」というデマ 歴史学者、吉見義明氏に聞く 2019年8月15日 毎日新聞 吉井 理記
■国際芸術祭で8人の展示一時中止 20日から、不自由展の再開求め 2019年8月19日一般社団法人共同通信社
■(インタビュー)不自由展中止、いま語る あいちトリエンナーレ芸術監督・津田大介さん 2019年8月21日 朝日新聞
■「表現の不自由展」で炎上。あいちトリエンナーレの「歴史ネタ」はなぜ面白いのか? 軍歌、君が代、教育勅語、特攻隊などが参照されていて驚いた 2019年8月21日 辻田 真佐憲(近現代史研究者) 週刊文春デジタル
■「表現の不自由展・その後」中止を考える緊急シンポ 出展作家「表現の自由を守れ」と再開訴え 2019年8月23日 buzz feed JAPAN
■あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」展示中止にまつわる出来事のまとめ 2019年8月23日 美術手帖web
■「まず議論しなきゃ」田原総一朗氏 少女像巡る「事なかれ」言論を批判 2019年8月28日 毎日新聞 吉井 理記
■肖像燃やす作品「天皇制批判の意図なし」 制作の大浦信行さん 2019年8月29日 毎日新聞
■芸術が抗議に屈するとき…あいトリで露呈した「政治的不寛容」の正体 2019年8月30日 講談社「現代ビジネス」 井戸 まさえ
■私たちは何を学べるのか? 小田原のどか評「表現の不自由展・その後」 2019年8月31日 美術手帖web
■「あいちトリエンナーレ」企画展 脅迫に屈した「表現の自由」 2019年9月2日 毎日新聞
■あいちトリエンナーレ参加作家による新プロジェクト「ReFreedom_Aichi」がスタート。「あいち宣言」草案作成やコールセンターも 2019年9月10日 美術手帖web
■「電凸」怖い、セキュリティー最優先…それが表現の自由を窒息させる 森達也氏 2019年9月18日 毎日新聞
■「表現の不自由展」巡り意見交換 名古屋でフォーラム 2019年9月21日 朝日新聞DIGITAL
■あいちトリエンナーレへの補助金不交付へ 文化庁「申請手続きに不備」 2019年9月26日 産経新聞
■あいちトリエンナーレのあり方検討委員会 中間報告 2019年9月26日 愛知県庁ホームページ
■脅迫→展示中止→補助金不交付「あしき前例」 不自由展 2019年9月27日 朝日新聞
■愛知の芸術祭 文化庁が補助金不交付を決定 2019年9月27日 読売新聞
■あいちトリエンナーレ 補助金不交付に批判続々 「国際基準では検閲」「文化支えるべき文化庁が…」 2019年9月28日 毎日新聞
■あいちトリエンナーレ補助金不交付の支離滅裂 法的根拠も合理性もなし。法の支配を歪め、行政運営の根本も揺るがす過った決定 2019年9月28日 米山隆一 前新潟県知事。弁護士・医学博士 朝日新聞DIGITAL
■三浦瑠麗氏、文化庁の「あいちトリエンナーレ」への補助金不交付に「今後の地域芸術祭にかなりけん制をかけてきている」 2019年9月29日 スポーツ報知
■「あいち」補助金不交付は、なぜ危険なのか 国家による異論の排除、その先にあるのは 2019年09月30日 高山明 演出家 朝日新聞DIGITAL
■表現の不自由展、土壇場の再開合意 「空中分解」懸念 2019年10月1日 朝日新聞
■「あいトリ」 こうして表現が窒息する 集団化と自発的隷従が加速する社会 2019年10月1日 朝日新聞(論座RONZA) 森達也 映画監督・作家
■あいちトリエンナーレの補助金不交付決定、採択を審査した外部有識者に意見聴取せず 2019年10月2日 ハフポスト日本版 Kaori Sawaki
■「少女像」巡り抗議、電話1日200件…10分で自動切断 2019年10月3日 読売新聞
■【あいちトリエンナーレ】東京藝大、教員有志が文化庁に抗議声明。「断固として反対し、撤回を求める」 2019年10月4日 ハフポスト日本版
■「表現の不自由展」は税金を使った“日本ヘイト” 「昭和天皇の写真が焼かれる動画に国民は傷付いた」竹田恒泰氏が緊急寄稿 2019年10月5日 夕刊フジ
■高山明が「Jアートコールセンター」を設立を発表。アーティストらが電話対応 2019年10月6日 美術手帖
■【あいちトリエンナーレ】アーティストの「コールセンター」が誕生。電凸抗議を作家が直接聞く 2019年10月6日 ハフポスト日本版
■不自由展、作家らが電話応対へ 攻撃に「直接話したい」 2019年10月6日 朝日新聞
■「表現の自由」について憲法学者2人が語ったこと。どのような表現まで許される? 2019年10月6日配信 2019年10月02日 ハフポスト日本版
■アーティストらが「あいち宣言(プロトコル)」原案作成。一般参加者交えた議論も 2019年10月6日 美術手帖web NEWS
■安倍首相が“事実上の事前検閲”との指摘に反論「ありもしない危機を煽るのは芸術家の皆さんに失礼」【あいちトリエンナーレ】 2019年10月7日 ハフポスト日本版
■あいちトリエンナーレ全面再開。「一つの芸術祭のあり方をお示しできた」 2019年10月7日 21:28配信 ハフポスト日本版
■あいちトリエンナーレ全面再開に津田大介・芸術監督「全作家が戻ってくれることが喜ばしい」 2019年10月7日 23:34配信 ハフポスト日本版
■あいトリ、キュレーターらが吐露した「現場」の苦悩 津田氏は意義強調も…「目指していたことの反対に」 2019年10月7日 18:39配信 J-CASTニュース編集部 工藤博司
■あいちトリエンナーレ全面再開、作家たちの喜びと決意。「明日開かれるのは歴史的な扉」 2019年10月7日 23:59配信 ハフポスト日本版
■「不自由展」再開反対、憤る市長は座り込み・支払い保留意向 2019年10月7日 20:06配信 読売新聞
■不自由展、8日午後再開 入場は抽選方式 2019年10月7日 18:59配信 産経新聞
■池上彰氏が考える、あいちトリエンナーレ補助金「後から不交付」問題に見る“本質” 池上さんに聞いてみた 2019年10月7日 池上 彰 週刊文春デジタル
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月7日お知らせ 10月8日(火)から、「あいちトリエンナーレ2019」展示作品が全面再開します。
■表現の不自由展が再開700人抽選、当選の30人入場 2019年10月7日 朝日新聞DIGITAL
■表現の不自由展再開 河村名古屋市長座り込みで抗議へ 2019年10月7日 毎日新聞
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月8日 「表現の不自由展・その後」10月8日(火)の入場方法に関するご案内
8月3日(土)をもって展示を中止していた「表現の不自由展・その後」(A23)について、以下のとおり展示を再開いたします。
1. 展示再開日 2019年10月8日(火)
※9日(水)以降の入場方法に関しましては、おってお知らせいたします。
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月8日イベント
「あいちトリエンナーレ2019」トークイベント 「表現の不自由展・その後」キム・ソギョン&キム・ウンソンを開催します!
■愛知芸術祭、不自由展が再開 昭和天皇関連動画は2回目のみ 2019年10月8日 産経新聞
■「表現の不自由展」再開=展示内容、中止前と同じ-2カ月ぶり、入場者は抽選・愛知 2019年10月8日 時事通信
■河村市長「やめてくれ」 不自由展再開に抗議の座り込み 2019年10月8日 朝日新聞DIGITAL
■「表現の不自由展」再開 制限付き公開に批判も 2019年10月8日 YONHAP NEWS 韓国・北朝鮮系
■「多くの人に見てもらうべき」=再開の不自由展、抽選に1300人超 2019年10月8日 時事通信
■「常軌を逸してます」大村知事が河村市長の座り込みを批判【あいちトリエンナーレ】 2019年10月8日 ハフポスト日本版
■表現の不自由展 国は「公益性ある事業」に補助金 2019年10月8日 産経新聞
■「反日的な偏りを感じたが、大きく騒ぐほどのことじゃない」 再開した『表現の不自由展』を見た男性の感想 2019年10月8日 ハフポスト日本版
■あいちトリエンナーレのささやかな「勝利」 2019年10月8日 Newsweek日本語版
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月8日お知らせ 「表現の不自由展・その後」10月9日(水)の入場方法に関するご案内
■再開された「不自由展」では何が行われたのか? 《遠近を抱えてPartⅡ》の上映会も 2019年10月8日 19:44配信 美術手帖web
■【詳報】不自由展再開に会場行列 批判し合う知事と市長 2019年10月8日20時23分 朝日新聞
■「心地よいもの」「美しいもの」だけが芸術なのか あいトリ 日本という国の芸術文化に対する態度が試されている 2019年10月8日 朝日新聞(論座RONZA) 毛利嘉孝 東京藝術大学教授
■23人に1人の競争勝ちぬき…「1週間だけでも少女像見られて嬉しい」 2019年10月9日 ハンギョレ新聞
■社説 [表現の不自由展再開] 政治の介入は許されぬ 2019年10月9日 沖縄タイムス
■再開「不自由展」、鑑賞は不自由 手荷物預け探知機検査 2019年10月9日 朝日新聞
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月9日お知らせ 「表現の不自由展・その後」抽選結果のお知らせ(10月9日[水] 13:15、13:55、14:10、15:10)
■日本で少女像展示再開…60人抽選に1000人殺到=あいちトリエンナーレ 2019年10月9日 朝鮮日報
■『表現の不自由展』の議論は始まってもいない 2019年10月9日 Newsweek日本語版
■再開「不自由展」、鑑賞は不自由 手荷物預け探知機検査 2019年10月9日 朝日新聞
■緊迫!立川志らく「表現の不自由展」再開を巡り津田大介氏に直撃「自分の親の写真を焼いたり踏んだりそれも芸術…」 2019年10月9日 スポーツ報知
■「国際芸術祭」は観光イベントよりもエラいのか 2019年10月9日 プレジデント online 井出 明(いで・あきら) 観光学者
■【主張】企画展再開 ヘイト批判に答えがない 2019年10月9日 産経新聞
■『表現の不自由展』の議論は始まってもいない 2019年10月9日 Newsweek澤田知洋(本誌記者)
■表現の不自由展、公開は6回に 再開2日目、定員各35人 2019年10月9日 共同通信
■トリエンナーレ不自由展、2日目も抽選に800人並ぶ 2019年10月9日 朝日新聞DIGITAL
■「不自由展」少女像作家が講演「見る側には批判する自由」 政治による抑圧は批判 2019年10月9日 毎日新聞
■「表現の不自由展」再開2日目は入場枠3.5倍に 第三者検討委は河村・名古屋市長をヒアリング 2019年10月9日 毎日新聞
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月9日お知らせ あいち宣言(あいちプロトコル)アーティスト草案に関する皆様からのご意見を募集しています。
■文化庁によるあいちトリエンナーレへの補助金の不交付決定に対する東京大学教員有志の声明 2019年10月9日 加治屋健司(芸術創造連携研究機構)他東京大学教員有志
■(憲法季評)「不自由展」の補助金不交付 文化専門職に判断委ねよ 2019年10月10日 朝日新聞DIGITAL
■不自由展、同意書で撮影可能に 一部作品は禁止 2019年10月10日 朝日新聞DIGITAL
■文化庁は官邸支配の影響が強烈? 過去に世界遺産登録で“注文”も〈AERA〉 2019年10月10日 AERA
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月10日お知らせ 「表現の不自由展・その後」抽選結果のお知らせ(10月10日[木] 16:00、16:40、16:55、17:35)
本日の「表現の不自由展・その後」の鑑賞について、「⑤16:00、16:40」「⑥16:55、17:35」の回の抽選結果をお知らせします。
■「表現の不自由展」めぐる補助金不交付 裏に「安倍─萩生田ライン」?〈AERA〉 2019年10月10日 AERA
■河村たかし市長の“座り込み抗議”に賛否「7分は休憩」の声も 2019年10月10日 女性自身
■河村市長に独占直撃インタビュー! 不自由展の再公開に「大村氏は国民をナメている」「昭和天皇映像は暴力だ」 2019年10月10日 夕刊フジ
■少女像、日本糾弾ではない意図 理解の鍵は「民衆美術」 2019年10月10日 朝日新聞
■再開した「表現の不自由展」を鑑賞 静かに座る「少女像」と対面して思ったこと 2019年10月10日 弁護士ドットコム
■「あいち宣言(プロトコル)」の草案発表。補助金不交付への牽制も 2019年10月10日 美術手帖web
■あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」再開後初の天皇動画上映に拍手が湧いた理由 2019年10月10日 篠田博之 月刊『創』編集長
■不自由展、3日目は200人鑑賞 作者が少女像紹介 2019年10月10日 共同通信
■表現の自由と検閲禁止、理解欠いたまま あいちトリエンナーレ企画展再開も 2019年10月11日 47NEWS
■「不自由展」補助金不交付 文科相は手続き不備強調 衆院予算委 2019年10月11日 毎日新聞
■国際芸術祭への補助金不交付、見直す考えないと首相 衆院予算委 2019年10月11日 産経新聞
■「表現の不自由展・その後」再開へ 萩生田大臣は「補助金不交付」 2019年10月11日 週刊金曜日
■『表現の不自由展』騒動がみせた日本の不自由と無頓着 2019年10月11日 Newsweek日本語版
■不自由展抗議電話最長1時間半 作家グループが目指す対話の可能性とは 電話窓口ルポ 2019年10月11日 毎日新聞
■表現の不自由展、報道に公開 台風で12日は開催中止 2019年10月11日 共同通信
■【表現の不自由展】アートと税金の使い方を考える 2019年10月12日 ハルメクweb
■青木理氏、「表現の不自由展」の再開に「実行委員会とか津田大介芸術監督の努力を評価したい」 2019年10月13日 スポーツ報知
■撤回求める署名、10万を突破。文化庁の補助金不交付決定を受け 2019年10月13日 美術手帖web
■表現の不自由展、鑑賞希望が最多 14日閉幕、愛知 2019年10月13日 共同通信
■トリエンナーレ閉幕へ 不自由展巡る「あいち宣言」公表 2019年10月13日 朝日新聞DIGITAL
■不自由展、最終日も行列 定員80人の抽選に785人 2019年10月14日 朝日新聞DIGITAL
■「天皇焼いて踏んだ」批判は残念 作者が思う芸術と自由 有料会員限定記事 「表現の不自由展」中止 大浦信行 聞き手=いずれも編集委員・塩倉裕 2019年10月14日 朝日新聞
■美しく、綺麗なものだけがアートではない。この芸術祭が表した時代性|#あいトリ 2019年10月14日 フォーブスJAPAN
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年10月14日?お知らせ 10月14日(月・祝)「あいちトリエンナーレ2019」閉幕のお知らせ
■表現の不自由展が終了 一時中止、補助金問題も 2019年10月14日 共同通信
■あいちトリエンナーレが閉幕へ 津田芸術監督「情報によって煽られた問題を、アートの力で乗り越えられた」 2019年10月14日 Buzz Feed JAPAN
■芸術祭トリエンナーレ閉幕=「不自由展」で注目-愛知 2019年10月14日 時事通信
■表現の不自由展が終了 一時中止、補助金問題も 抗議相次ぐ、芸術祭閉幕 2019年10月14日 産経新聞
■「激動の」不自由展、観覧終える 最終回も3千人が応募 2019年10月14日 朝日新聞DIGITAL
■愛知知事「課題、難題もあったが…」トリエンナーレ閉幕 2019年10月14日 読売新聞
■あいちトリエンナーレ2019が閉幕。65万人以上で過去最高の入場者数を記録 2019年10月14日 美術手帖web
■津田大介氏「プラスで終われた」 トリエンナーレ閉幕 2019年10月14日 朝日新聞DIGITAL
■東大教員有志が「あいち」不交付に抗議したわけ 学問の自由への懸念、国の信用にもかかわる 2019年10月14日 朝日新聞(論座RONZA) 加治屋健司 東京大学大学院准教授
■「あいちトリエンナーレ2019」閉幕 65万人超が現代アートの祭典訪れる 2019年10月15日 サカエ経済新聞社
■「あんた日本人?」鳴りやまぬ電話・泣く職員…電凸ルポ 2019年10月15日 朝日新聞DIGITAL
■大村知事の「即位の礼」出席は許されるのか 竹田恒泰氏が猛反発「皇居の濠を渡る資格無い」 2019年10月15日 夕刊フジ
■河村市長 「トリエンナーレ」負担金めぐり検証委設置へ 当面支払い保留 2019年10月15日 毎日新聞
■(社説)あいち芸術祭 閉幕後も山積する課題 2019年10月16日 朝日新聞
■「少女像」のため1万3千人が抽選に参加…あいちトリエンナーレ閉幕 2019年10月16日 ハンギョレ新聞
■「表現の不自由」は誰にとっての問題だったのか あいちトリエンナーレが残した課題 2019年10月16日 PRESIDENT Online 井出 明 観光学者
■制限時間10分、強制終了も 不自由展、電凸対策の効果 2019年10月16日 朝日新聞 岩尾真宏、江向彩也夏、山下奈緒子
■「あいちトリエンナーレ」閉幕 昭和天皇の肖像を燃やし、足で踏み付ける映像作品…各メディアはどう表現した? 竹田恒泰氏「昭和天皇は私の親戚、深く傷ついた」 2019年10月16日 夕刊フジ
■あいトリ補助金問題、宮田文化庁長官が初の発言。「不交付決定を見直す必要はない」 2019年10月16日 美術手帖web
■不自由展こそ不自由 愛知の企画展・鑑賞会で実感 2019年10月16日 産経新聞
■議事録なし「モリカケと一緒」 愛知・大村知事が批判 2019年10月16日 朝日新聞DIGITAL
■補助金不交付で大村知事が反発「撤回してもらう」 2019年10月16日 毎日新聞
■「あいトリ」騒動は「芸術は自由に見ていい」教育の末路かもしれない 明らかになった、芸術をめぐる「分断」 2019年10月17日 現代ビジネス 森 功次(大妻女子大学国際センター専任講師)
■芸術文化振興会が助成要綱を改正。「公益性」理由に取消しも可能に 2019年10月17日 美術手帖
■文科省外郭団体「公益性の観点で不適当なら助成金は不交付」 2019年10月17日 NHK NEWS WEB
■あいちトリエンナーレへの文化庁補助金不交付に関する声明 2019年10月18日 京都市立芸術大学教職員有志
■補助金不交付に抗議 文化庁事業の委員 辞任相次ぐ 2019年10月18日 NHK NEWS WEB
■補助金不交付「個人的にも、国立美術館長としても反対」あいちトリエンナーレ検討委座長 2019年10月18日 毎日新聞
■検閲は、アートから何も奪えない:「あいちトリエンナーレ」を巡る議論と、ふたつの“自由”の衝突 2019年10月18日 WIRED JAPAN 森旭彦の寄稿
■「表現の不自由展」米のケース 2019年10月18日 Japan In depth島田洋一(福井県立大学教授)
■「あいトリ」補助金不交付問題は県vs国の法廷闘争へ。今後の展開を行政法学者が解説 2019年10月19日 美術手帖
■大村知事は「即位の礼」参列を辞退すべきだ ツイッターで意見を述べたらブロック、「表現の自由」どこへ? 2019年10月19日 産経新聞 ケント・ギルバート
■あいトリ「燃やされた天皇の肖像」「放射能最高!」を批判するなら知っておきたいこと 「燃えやすい素材」を表現者たちが扱わなくなる未来は暗い 2019年10月20日 週刊文春デジタル 森 功次(大妻女子大学国際センター専任講師)
■「文化庁は不交付の見直しを」鷲田めるろが文化庁の委員を辞任 2019年10月22日 美術手帖
■「自由に表現したいなら自分のお金で」その声を憲法学者はどう見るか【あいちトリエンナーレ】 2019年10月23日 ハフポスト日本版 澤木香織
■大村知事、国に不服申し出へ トリエンナーレ補助金巡り 2019年10月23日 朝日新聞社
■野党が「トリエンナーレ」補助金不交付で文化庁批判 作品の評価は避ける 2019年10月24日 産経新聞
■文化庁に不服申し立て=芸術祭の補助金不交付-愛知県 2019年10月24日 時事通信
■猛批判のなか出席した大村知事に竹田恒泰氏&河村名古屋市長が激怒! 竹田氏「共産党を見習え」 河村氏「大した度胸だよな」 天皇陛下「即位礼正殿の儀」 2019年10月24日 夕刊フジ
■補助金不交付は「検閲」の疑い 不自由展中止は冷静に議論を 作家・辻田真佐憲さん 2019年10月24日 毎日新聞
■大村知事、1日遅れの「即位の礼」謹話に猛批判! 「おわびがまず先だ」「白々しい」など厳しい声 2019年10月24日 産経新聞
■トリエンナーレ、いまの社会あらわ 「公共=お上から与えられるもの」 2019年10月25日 朝日新聞
■「禁演落語、国策落語の時代に近づいている」……補助金不交付に思う 立川談四楼さん 2019年10月26日 毎日新聞
■なぜ朝日は産経社説に正面から反論しないのか 2019年10月26日 プレジデント オンライン (ジャーナリスト 沙鴎 一歩)
■「表現の不自由展」に見る左派マスコミのご都合主義とダブスタぶり 「校正した原稿を事前に見せよ」これが事前検閲でなくて何なのか ニュースの核心 2019年10月26日 夕刊フジ 長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト
■私はなぜ文化庁委員を辞めたのか【上】 あいちトリエンナーレへの補助金不交付は問題だらけだ 2019年10月27日 朝日新聞(論座RONZA) 野田邦弘 鳥取大学特命教授
■私はなぜ文化庁委員を辞めたのか【下】 あいちトリエンナーレ問題を「表現の自由」の将来につなげるには 2019年10月28日 朝日新聞(論座RONZA) 野田邦弘 鳥取大学特命教授
■自民の稲田幹事長代行、表現の不自由展で持論 文化庁の補助金不交付決定を擁護「行政裁量の範囲内」 2019年10月28日 福井新聞
■「表現の不自由展」昭和天皇作品に税金投入の是非 野党議員はなぜ回答を避けるのか? 3議員に緊急アンケート 2019年10月28日 夕刊フジ
■「独善的だった」と被告謝罪=トリエンナーレ業務妨害-名古屋地裁 2019年10月29日 時事通信
■大村知事「明確にヘイト」政治団体の催しに 法的措置も 2019年10月29日 朝日新聞
■騒動を越えて、作家と作品の試みをレビューする。長谷川新 評 「あいちトリエンナーレ2019」 2019年10月29日 美術手帖 インディペンデント・キュレーター 長谷川新
■大村知事「ダブルスタンダード」か? 愛知県施設での「ヘイト」催しには法的措置も検討 2019年10月30日 夕刊フジ
■アートが生殖技術を描くとき 母の視点、娘の視点 科学技術と言論とアートを融合させる実験場-あいちトリエンナーレ鑑賞記(1) 2019年10月31日 朝日新聞(論座RONZA) 粥川準二 県立広島大学准教授(社会学)
■【日本の選択】表現の自由は「無制限」ではない昭和天皇を侮辱するような行為は許されない 2019年10月31日 夕刊フジ 岩田温(いわた・あつし)大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師
■あらためて「表現の自由」を問う 現代美術家・会田誠さん、漫画家・ちばてつやさん、憲法学者、京都大教授・曽我部真裕さん 2019年11月2日 東京新聞
■電凸招いた「表現の不自由展」 美術家・黒瀬陽平さんが指摘するセキュリティホール 2019年11月3日 弁護士ドットコムニュース編集部
■なぜ途中で辞任しなかったのか? 津田大介「表現の不自由展・その後」展示中止から再開まで、激動の75日間を語る 津田大介インタビュー #1 2019年11月7日 文春オンライン 辻田 真佐憲(インタビュアー)
■プロパガンダに利用されやすいアートでもある――津田大介が「平和の少女像」を美術館に展示したかった理由 津田大介インタビュー #2 2019年11月7日 文春オンライン 辻田 真佐憲(インタビュアー)
■あいちトリエンナーレ閉幕後「本業に戻ります」 津田大介「思想的には左翼じゃなくてリベラル」の真意 津田大介インタビュー #3 2019年11月7日 文春オンライン 辻田 真佐憲(インタビュアー)
■私が文化庁の委員を辞めた理由 鷲田めるろ 2019年11月7日 現代ビジネス
■あいトリ補助金不交付、文化審議会の委員からも批判続出 2019年11月7日 朝日新聞
■ウィーンの日本展、内容理由に大使館が友好事業取り消し 2019年11月7日 朝日新聞
■広がる「不自由展」一時中止の余波 川崎や三重でも 2019年11月7日 朝日新聞 甲斐江里子、安田琢典、山下奈緒子
■「自国を批判的に表現できるのは、成熟と余裕のある証拠」「JAPAN UNLIMITED」の公認撤回に対し参加アーティストがコメント 2019年11月8日 美術手帖
■なぜ不交付撤回を求める署名は文化庁へ提出されなかったのか。ReFreedom_Aichiと参加者が会見 2019年11月8日 美術手帖 編集部
■【世相コラム】アートと「力」 2019年11月9日 時事通信
■「Jアートコールセンター」から見えた限界と可能性 高山明に聞く 2019年11月10日 美術手帖
■「不自由展」妨害、猶予判決 危害予告ファクス送信、名古屋 2019年11月14日 共同通信
■あいちトリエンナーレ 公式Webサイト ニュース 2019年12月18日 お知らせ
「あいち宣言・プロトコル」を作家代表から受け取りました
(別添1) 「あいち宣言・プロトコル」
(別添2) 「『あいち宣言・プロトコル』起草の経緯について」
■あいちトリエンナーレのあり方検討委員会発表の「『表現の不自由展・その後』に関する 調査報告書(案)」について 2019年12月18日 津田大介(webブログより)
■あいトリ検討委員会、最終報告書まとまる 芸術監督・津田大介は反論も 2019年12月19日 美術手帖
※私は、2020年1月に書いた未発表の論考(月刊『あいだ』<編集・福住治夫>に紙幅などの問題から発表がみおくられていた)を、今回、「美術評論+」に掲載した。 この論考を掲載予定だった『あいだ』が誕生したきっかけは、大浦信行作品《遠近を抱えて》を展示し問題となった「’86富山の美術」を契機に、1994年1月に発足した「美術と美術館のあいだを考える会」のニューズレターが始まりだとされる。 その後、『あいだ』は、硬派な現代美術系の批評誌として、福住治夫らの尽力で、2023年(第262号)まで30年近く続いている。 なお、今回の論考への作品写真の掲載にあたっては、大浦信行氏、藤江 民氏、嶋田美子氏の了解を得て載せさせていただいた。