知られざる現代京都の超絶水墨画家(10)「藤井湧泉展――水墨雲龍・極彩猫虎」秋丸知貴評

日時:2022年11月3日(木・祝)~11月9日(水)10:30~20:30
会場:Artglorieux Gallery of Tokyo(GINZA SIX 5F)

 

突如、2000年代後半の京都画壇に彗星のように現れ、京都の有名な禅宗寺院に数多く水墨画を収めている実力派画家がいる。名前は、藤井湧泉(ふじい・ゆうせん)という。

どの団体にもどの派閥にも属さない孤高の存在でありながら、わずか50代半ばで京都を代表する一休寺(酬恩庵)、相国寺、金閣寺(鹿苑寺)、林光院、高台寺、圓徳院等に水墨作品が次々と収蔵されている。しかも、そのほとんどが通常非公開であり、インターネット上でも来歴が全く分からないため、一時期は知る人ぞ知る「幻の水墨画家」と呼ばれていた。

それも、そのはずである。元々、湧泉は中国名を「黄稚」といい、1964年に中国江蘇省啓東市に生まれた中国人である。蘇州大学藝術学院卒業後すぐの1985年に21歳で北京服装学院の講師に抜擢された経歴を持ち、早くから将来を嘱望された中国国家公認の俊英画家であった。ところが、1992年に来日した湧泉は、京都で藤井姓の日本人女性と大恋愛の末に結婚する。以来、今日まで約30年間京都で暮らして日本的美意識の吸収に努めている。その目指すところは、中国の豪華絢爛な「足し算の美意識」と日本の瀟洒淡麗な「引き算の美意識」の昇華である。

湧泉は、長らく日本では無名の雌伏時代を過ごしてきたが、2008年に一休寺に《虎絵衝立》(図1)が収められたことをきっかけに一気に頭角を現し、現在破竹の快進撃が続いている。湧泉の知名度は、まだまだ低い。しかし、少なくとも京都の仏教界における湧泉の評価は昇り龍のようである。一休寺では田辺宗一師、相国寺・金閣寺では有馬頼底師、林光院では澤宗泰師、高台寺・圓徳院では後藤典生師など、京都のみならず日本の仏教界を代表する高僧達に支持されている。

周知の通り、これらの寺院はいずれも禅宗と茶道に縁の深い由緒ある名刹であり、そのルーツである中国との歴史的・文化的関係も長く深い。そして、そうした京都の禅宗寺院を舞台に腕一本で大活躍する際立った画業が評価されて、2012年には元京都市立芸術大学学長で国際日本文化研究センター初代所長を務めた哲学者梅原猛氏より「湧泉」の雅号を賜ることになった。

 

図1 藤井湧泉《虎絵衝立》2008年 一休寺(酬恩庵)

 

仏教界の重鎮達から高く評価されていることから分かるように、湧泉の画風は極めて高潔で典雅なところに第一の魅力がある。これに加えて、湧泉の画風のもう一つの大きな魅力はそのチャーミングさにある。

例えば、一休寺に収められている《虎図衝立》(図1)は、将軍足利義満から「絵の中の虎を捕まえよ」と無理難題を出された一休が「絵の中から虎を追い出してください」と切り返した有名な頓智話にちなんでいる。そうした由来を持つ作品が実際に一休寺に収められているだけでも奇跡的であるが、その描写がまた物凄い。

この作品で湧泉は、一見気楽に描いているように見えるが、実際は極めて堅牢なデッサン力に基づき、描き直しのできない水墨で、虎の体毛を一本一本非常に丹念に描いている。それらが破綻なく生み出す画面全体の統一的なグラデーションをずっと眺めていると、そこに示されている精神集中の強度に誰でもつい溜息がもれてしまうだろう。

しかし、それがどれだけ見続けても息苦しくならないのは、虎の表情が何ともユーモラスだからである。長沢芦雪の無量寺の《虎図襖》がそうであるように、日本では虎を猫のように可愛く描くことを喜ぶ傾向があるが、ここには湧泉自身の陽気な気質と共に、そうした日本の芸術的伝統の反映を見出せるだろう。

 

図2 藤井湧泉《虎図襖絵》2018年 林光院

 

次に、この湧泉の愛嬌溢れる個性が見事に現われたのが、義満が創建した相国寺の塔頭・林光院に収められている《虎図襖絵》(図2)である。

画家としての湧泉が普段から心がけていることの一つに、「古典の現代的解釈」がある。つまり、湧泉自身は中国四千年の文化的伝統を素養に持つ極めて正統派の画家であるが、ただ単に従来の古典をそのままなぞるのではなく、常に古典を生み出したのと同じ進取の精神で古典を現代的に再解釈して表現しようと努めている。

《虎図襖絵》(図2)でも、湧泉は虎の体毛を一本一本非常に精緻に描き出している。その極度の精神集中が必要であろうロング・ストロークは、この虎に霊獣としての異様な迫力を与えている。それと同時に、この虎のどう見ても猫にしか見えない半目の丸まった姿態には誰もがほっこりと温かい気持ちにさせられる。

実は、この「うたた寝する虎」という主題は、豊干、寒山、拾得が、猛獣の虎と呑気に仲良く眠るという、禅宗画題の一つである「四睡の虎」からきている。つまり、ここではその虎だけがクローズ・アップされている訳である。

 

図3 藤井湧泉《龍図襖絵》2018年 林光院

 

そして、この《虎図襖絵》(図2)は、林光院の本堂の最も重要な本尊を祀る部屋の手前に《龍図襖絵》(図3)と向かい合わせで描かれている。つまり、この天を統べる龍と地を統べる虎の組み合わせは、強者同士が対決してますます気勢が高まるという、禅宗画題の一つである「龍虎図」として構成されている。

すなわち、ここで湧泉は、「四睡の虎」と「龍虎図」という古典的画題を新たに組み合わせつつ、お互いに脅かし合う緊張した対立関係ではなく、一方が相手を受け流すことで生まれる余裕に満ちた一段高い調和を表現している。正に、これこそが湧泉の目指す「古典の現代的解釈」である。

いずれにしても、この湧泉の誰もがつい「猫……」と言いかけて慌てて「虎」と言い直して微笑してしまう可愛い「猫虎」は、老若男女を問わず人気がある。実際に、この林光院の80面の襖絵・障壁画の完成を記念して特別公開された2018年の第52回「京の冬の旅」では、この《虎図襖絵》はリーフレット全体の表紙を飾ることになった。なお、この《虎図襖絵》は、2019年6月26日に湧泉が上海科技大学で講演を行った際のフライヤーにも採用されている。

 

第52回「京の冬の旅」公式パンフレット

 

上海科技大学における講演時のフライヤー

 

その後、2019年に湧泉は高台寺に《妖女赤夜行進図》を奉納する。この12面の襖絵は、背景一面に塗られた古代朱や妖女達の極彩色の着物柄がとても印象的な作品である。

元々、湧泉は北京服装学院という中国で唯一「服装」が校名につく高等教育機関の教師であり、デッサン力のみならず色彩感覚にも優れていることを中国が国家的に公認していた画家である。来日してからはモノクロの水墨を専門にしていたが、この作品を機にアクリルなども用いた多彩な色彩表現を追求し始めることになる。

これに続き、湧泉は高台寺ゆかりの永興保育園グループに絵画を描く仕事に携わり、園児達が喜ぶカラフルな「猫虎図」を多数制作した。この時、湧泉によれば「子供達が喜んでくれる笑顔を見ていると、絵画で人を楽しませる喜びを改めて認識できた」という。

以後、湧泉は、改めてこのカラフルな「猫虎図」と、その対となるモノクロの「雲龍図」の連作に精力的に取り組むことになる。その成果として2022年春に開催されたのが、高台寺・圓徳院・掌美術館の三会場合同「龍花春早・猫虎懶眠」展であった(会期は2022年3月4日~5月5日、キュレーションは筆者)。

この特別展は、それぞれの会場に必ず一組「龍虎図」を展示することを基本コンセプトとし、会場ごとにテーマを分けて湧泉の旧作から新作まで51作品を展示するものであった。展示の中心は、大小様々な色取りどりの「猫虎図」であり、2ヵ月の会期中、新型コロナ禍の自粛疲れで息苦しさを募らせていた人心を大いに明るくしたと京都中に少なからぬ反響を呼ぶことになった。

なお、この時の会場の一つである高台寺掌美術館の館長は水谷信行師であり、彼が住職を務める慈芳院は、室町時代後期に単庵智伝が描いた日本最古の《龍虎図屏風》を所蔵することで有名である(現在は京都国立博物館に委託中)。すなわち、この湧泉の最新の独創的な「龍虎図」展は、日本の龍虎図の正式な文化的伝統のお膝元で開催された文字通り「古典の現代的解釈」であったといえるだろう。

 

「龍花春早 猫虎懶眠」展 ポスター

 

◇ ◇ ◇

 

「藤井湧泉展――水墨雲龍・極彩猫虎」会場風景(Artglorieux Gallery of Tokyo)

 

「藤井湧泉展――水墨雲龍・極彩猫虎」会場風景(Artglorieux Gallery of Tokyo)

 

今回、GinzaSix 5階「Artglorieux Gallery of Tokyo」で開催される「藤井湧泉新作展――水墨雲龍・極彩猫虎」は、そうした湧泉のカラフルな「猫虎図」とモノクロの「雲龍図」で構成されている。いずれも、「龍花春早・猫虎懶眠」展以後の新作であり、現在もなお進化し続ける湧泉芸術の最新の息吹に触れることができる。また、この展覧会は、湧泉の東京初個展としても記憶されることになるだろう。

実際の感動は、会場で実物との出会いのために取っておいて欲しい。ただ、ここで少しだけ先行して出品作品の魅力を紹介しておこう。

《雲龍図》(図4)では、湧泉の描く龍が、極めて高度なデッサン力により、想像上の聖獣であるにもかかわらずどれだけ眺めても立体感や存在感が崩れないことをその目で確かめて欲しい。また、中国では正式な龍は五本指で表わされることにも注目である。

また、《猫虎図》(図5)では、虎の体毛はやはり極めて細密に描写され、無地の背景と小気味良い濃淡の対照を表現していることに着目して欲しい。これが、湧泉の追求する、絵具で埋め尽くすのでも余白でごまかすのでもない、中国の豪華絢爛な「足し算の美意識」と日本の瀟洒淡麗な「引き算の美意識」の昇華の一つの実践である。

そして、《猫虎図》(図6)、《猫虎図》(図7)、《猫虎図》(図8)では、天性のカラリストである湧泉のモダンでアットホームな色彩感覚を心行くまで堪能して欲しい。

時は正に、新型コロナ禍やウクライナ侵攻で騒然とする息苦しい時代である。しかし、こんな苦難の時代にこそ、ぜひ湧泉の「雲龍図」や「猫虎図」で童心に帰って一息ついてみてはいかがだろうか。絵画は、目で楽しむ留め置かれた日々の祈りである。どうか、一日も早く人々が安心して幸福に暮らせますように。

 

図4 藤井湧泉《雲龍図》2022年

 

図5 藤井湧泉《猫虎図》2022年

 

図6 藤井湧泉《猫虎図》2022年

 

図7 藤井湧泉《猫虎図》2022年

 

図8 藤井湧泉《猫虎図》2022年

 

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著者: (AKIMARU Tomoki)

美術評論家・美学者・美術史家・キュレーター。1997年多摩美術大学美術学部芸術学科卒業、1998年インターメディウム研究所アートセオリー専攻修了、2001年大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻美学文芸学専修修士課程修了、2009年京都芸術大学大学院芸術研究科美術史専攻博士課程単位取得満期退学、2012年京都芸術大学より博士学位(学術)授与。2013年に博士論文『ポール・セザンヌと蒸気鉄道――近代技術による視覚の変容』(晃洋書房)を出版し、2014年に同書で比較文明学会研究奨励賞(伊東俊太郎賞)受賞。2010年4月から2012年3月まで京都大学こころの未来研究センターで連携研究員として連携研究プロジェクト「近代技術的環境における心性の変容の図像解釈学的研究」の研究代表を務める。主なキュレーションに、現代京都藝苑2015「悲とアニマ——モノ学・感覚価値研究会」展(会場:北野天満宮、会期:2015年3月7日〜2015年3月14日)、現代京都藝苑2015「素材と知覚——『もの派』の根源を求めて」展(第1会場:遊狐草舎、第2会場:Impact Hub Kyoto〔虚白院 内〕、会期:2015年3月7日〜2015年3月22日)、現代京都藝苑2021「悲とアニマⅡ~いのちの帰趨~」展(第1会場:両足院〔建仁寺塔頭〕、第2会場:The Terminal KYOTO、会期:2021年11月19日~2021年11月28日)、「藤井湧泉——龍花春早 猫虎懶眠」展(第1会場:高台寺、第2会場:圓徳院、第3会場:掌美術館、会期:2022年3月3日~2022年5月6日)等。2023年に高木慶子・秋丸知貴『グリーフケア・スピリチュアルケアに携わる人達へ』(クリエイツかもがわ・2023年)出版。

2010年4月-2012年3月: 京都大学こころの未来研究センター連携研究員
2011年4月-2013年3月: 京都大学地域研究統合情報センター共同研究員
2011年4月-2016年3月: 京都大学こころの未来研究センター共同研究員
2016年4月-: 滋賀医科大学非常勤講師
2017年4月-2024年3月: 上智大学グリーフケア研究所非常勤講師
2020年4月-2023年3月: 上智大学グリーフケア研究所特別研究員
2021年4月-2024年3月: 京都ノートルダム女子大学非常勤講師
2022年4月-: 京都芸術大学非常勤講師

【投稿予定】

■ 秋丸知貴『近代とは何か?――抽象絵画の思想史的研究』
序論 「象徴形式」の美学
第1章 「自然」概念の変遷
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第4章 抽象絵画における形式主義と神秘主義
第5章 自然的環境から近代技術的環境へ
第6章 抽象絵画における機械主義
第7章 スーパーフラットとヤオヨロイズム

■ 秋丸知貴『美とアウラ――ヴァルター・ベンヤミンの美学』
第1章 ヴァルター・ベンヤミンの「アウラ」概念について
第2章 ヴァルター・ベンヤミンの「アウラの凋落」概念について
第3章 ヴァルター・ベンヤミンの「感覚的知覚の正常な範囲の外側」の問題について
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■ 秋丸知貴『近代絵画と近代技術――ヴァルター・ベンヤミンの「アウラ」概念を手掛りに』
序論 近代技術的環境における心性の変容の図像解釈学的研究
第1章 近代絵画と近代技術
第2章 印象派と大都市群集
第3章 セザンヌと蒸気鉄道
第4章 フォーヴィズムと自動車
第5章 「象徴形式」としてのキュビズム
第6章 近代絵画と飛行機
第7章 近代絵画とガラス建築(1)――印象派を中心に
第8章 近代絵画とガラス建築(2)――キュビズムを中心に
第9章 近代絵画と近代照明(1)――フォーヴィズムを中心に
第10章 近代絵画と近代照明(2)――抽象絵画を中心に
第11章 近代絵画と写真(1)――象徴派を中心に
第12章 近代絵画と写真(2)――エドゥアール・マネ、印象派を中心に
第13章 近代絵画と写真(3)――後印象派、新印象派を中心に
第14章 近代絵画と写真(4)――フォーヴィズム、キュビズムを中心に
第15章 抽象絵画と近代技術――ヴァルター・ベンヤミンの「アウラ」概念を手掛りに

■ 秋丸知貴『ポール・セザンヌと蒸気鉄道 補遺』
第1章 ポール・セザンヌの生涯と作品――19世紀後半のフランス画壇の歩みを背景に
第2章 ポール・セザンヌの中心点(1)――自筆書簡と実作品を手掛かりに
第3章 ポール・セザンヌの中心点(2)――自筆書簡と実作品を手掛かりに
第4章 ポール・セザンヌと写真――近代絵画における写真の影響の一側面

■ Tomoki Akimaru Cézanne and the Railway
Cézanne and the Railway (1): A Transformation of Visual Perception in the 19th Century
Cézanne and the Railway (2): The Earliest Railway Painting Among the French Impressionists
Cézanne and the Railway (3): His Railway Subjects in Aix-en-Provence

■ 秋丸知貴『岸田劉生と東京――近代日本絵画におけるリアリズムの凋落』
序論 日本人と写実表現
第1章 岸田吟香と近代日本洋画――洋画家岸田劉生の誕生
第2章 岸田劉生の写実回帰 ――大正期の細密描写
第3章 岸田劉生の東洋回帰――反西洋的近代化
第4章 日本における近代化の精神構造
第5章 岸田劉生と東京

■ 秋丸知貴『〈もの派〉の根源――現代日本美術における伝統的感受性』
第1章 関根伸夫《位相-大地》論――観念性から実在性へ
第2章 現代日本美術における自然観――関根伸夫の《位相-大地》(1968年)から《空相-黒》(1978年)への展開を中心に
第3章 Qui sommes-nous? ――小清水漸の1966年から1970年の芸術活動の考察
第4章 現代日本美術における土着性――小清水漸の《垂線》(1969年)から《表面から表面へ-モニュメンタリティー》(1974年)への展開を中心に
第5章 現代日本彫刻における土着性――小清水漸の《a tetrahedron-鋳鉄》(1974年)から「作業台」シリーズへの展開を中心に

■ 秋丸知貴『藤井湧泉論――知られざる現代京都の超絶水墨画家』
第1章 藤井湧泉(黄稚)――中国と日本の美的昇華
第2章 藤井湧泉と伊藤若冲――京都・相国寺で花開いた中国と日本の美意識(前編)
第3章 藤井湧泉と伊藤若冲――京都・相国寺で花開いた中国と日本の美意識(中編)
第4章 藤井湧泉と伊藤若冲――京都・相国寺で花開いた中国と日本の美意識(後編)
第5章 藤井湧泉と京都の禅宗寺院――一休寺・相国寺・金閣寺・林光院・高台寺・圓徳院
第6章 藤井湧泉の《妖女赤夜行進図》――京都・高台寺で咲き誇る新時代の百鬼夜行図
第7章 藤井湧泉の《雲龍嘯虎襖絵》――兵庫・大蔵院に鳴り響く新時代の龍虎図(前編)
第8章 藤井湧泉の《雲龍嘯虎襖絵》――兵庫・大蔵院に鳴り響く新時代の龍虎図(後編)
第9章 藤井湧泉展――龍花春早・猫虎懶眠
第10章 藤井湧泉展――水墨雲龍・極彩猫虎
第11章 藤井湧泉展――龍虎花卉多吉祥
第12章 藤井湧泉展――ネコトラとアンパラレル・ワールド

■ 秋丸知貴『比較文化と比較芸術』
序論 比較の重要性
第1章 西洋と日本における自然観の比較
第2章 西洋と日本における宗教観の比較
第3章 西洋と日本における人間観の比較
第4章 西洋と日本における動物観の比較
第5章 西洋と日本における絵画観(画題)の比較
第6章 西洋と日本における絵画観(造形)の比較
第7章 西洋と日本における彫刻観の比較
第8章 西洋と日本における建築観の比較
第9章 西洋と日本における庭園観の比較
第10章 西洋と日本における料理観の比較
第11章 西洋と日本における文学観の比較
第12章 西洋と日本における演劇観の比較
第13章 西洋と日本における恋愛観の比較
第14章 西洋と日本における死生観の比較

■ 秋丸知貴『ケアとしての芸術』
第1章 グリーフケアとしての和歌――「辞世」を巡る考察を中心に
第2章 グリーフケアとしての芸道――オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』を手掛かりに
第3章 絵画制作におけるケアの基本構造――形式・内容・素材の観点から
第4章 絵画鑑賞におけるケアの基本構造――代弁と共感の観点から
第5章 フィンセント・ファン・ゴッホ論
第6章 エドヴァルト・ムンク論
第7章 草間彌生論
第8章 アウトサイダー・アート論

■ 秋丸知貴『芸術創造の死生学』
第1章 アンリ・エランベルジェの「創造の病い」概念について
第2章 ジークムント・フロイトの「昇華」概念について
第3章 カール・グスタフ・ユングの「個性化」概念について
第4章 エーリッヒ・ノイマンの「中心向性」概念について
第5章 エイブラハム・マズローの「至高体験」概念について
第6章 ミハイ・チクセントミハイの「フロー」概念について

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